英語を探せ#43-鉄の女の野望と大志の名言
日々の常識や人生を見直すような英語を探しています。
マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙(原題:The Iron Lady, 2011)をNHK-BSで見ました。元英国首相マーガレット・ヒルダ・サッチャー(Margaret Hilda Thatcher、1925年- 2013年)の若い時代から首相時代までの伝記映画だと思ってみたのですが、予想はずれでした。認知症(dementia) になってしまった元首相の現在とその回想という形をとっているのです。かっての輝きを失っていく姿が映し出されています。映画を見たとき、存命だった本人は認知症のため怒らなかったのか、周囲や家族は怒ったのではと思いました。英国では敵も多くけなす人も多いことも描かれています。
主演のMeryl Streepはよくやったと思いました。全盛時の首相と認知症になった元首相が同じ人とは思わなかったほどです。娘時代を演じたAlexandra Roachも庶民出で、志をもちながらうまくいかない若い日々をよく演じていました。
心に残る英語は以下です。
ダウニング街10番地(首相官邸)に入居した際、フランシスコの平和の祈りをささげた。誓いの言葉です。英国首相はいつも言葉を残すのでしょうか。公に奉仕する政治家の言葉として、”we bring”というのが主体的でいいですね。
Where there is discord may we bring harmony... 「不和があるところに調和を」
Where there is error may we bring truth... 「誤りがあるところに真実を」
Where there is doubt may we bring faith... 「疑いがあるところに信仰を」
Where there is despair may we bring hope.. 「絶望があるところに希望をもたらせることができますように」。
「最後に、正義は悪に勝つのです」”In the end, right will prevail over wrong.” フォークランド紛争でアルゼンチンに勝利した時の言葉です。
「自分のやり方を貫こうとせず、自分が正しいと知っていることをやろうとしないなら、私は一体どんなリーダーか」”What kind of leader am I if I don’t try to get my own way – to do what I know to be right.”
「私たちは原則に忠実に従うか、まったく従わないかのどちらかです」”We will stand on principle or we shall not stand at all.” まさに鉄の女です。
「思考は言葉になります。言葉には行動になります。行動には習慣になります。習慣はあなたの性格になります。そして、あなたの性格はあなたの運命になります。私たちが考えていることが、私たち自身になるのです」"Watch your thoughts, for they become words. Watch your words, for they become actions. Watch your actions, for they become habits. Watch your habits, for they become your character. And watch your character, for it becomes your destiny. What we think, we become." まさに名言です。
「あなた達は苦労する必要がなかった。すべてはあなた達に与えられてきたからです。そしてあなたはそれに対して罪悪感を感じているのです」"You haven’t had to fight hard for anything. It's all been given to you- and you feel guilty about it!" 特権階級の政治家たちに対して、避難するのです。まさに鉄の女です。周囲の人は恐れたと思います。
周囲におだてられ国会議員は特権階級であると思い、私腹を肥やし、その地位を守ることに一生懸命な政治屋たちとは違います。1960-70年代の英国は黄昏の国、大英帝国から衰退しつつある国と言われていました。映画では庶民の食料品店の娘から身を起こし、自らの信念を持ち、権力を握り、衰えつつあった国を活性化し、歴史を動かし、歴史に名を残した政治家です。日本でも国を変える善い政治家が出てきて欲しいと思います。