見出し画像

【副業人材事例】介護の魅力を伝えてファンを増やしていくために ~インタビュー~

地域貢献をしたい、副業に挑戦してみたい方におすすめのサイト。
地域の『課題』と解決できるスキルを有する『ヒト』とを結ぶマッチング「Otanomi(オタノミ)」へはこちらから。
https://o-tanomi.jp/


みなさんこんにちは、Otanomiコラム担当です。

「地域の仕事のひと」
地域ではどんな人が、どんな挑戦をしているんだろう?
そんなテーマで今回は副業人材の活用を進める「社会福祉法人保内園」の方々にお話を伺いました。

人口の少ない地域であるほど1人1人の仕事が、想いが、相手の喜びや助けに直結する。
知ること、行動に起こすことで、これまで培われた経験を活かせる機会が地域には沢山ある。
など、地域ならではの仕事とひとの観点でのお話です。



今回の舞台

大子町で1972年に創業された「社会福祉法人 保内園」(以後、保内園)。

DXや有償ボランティアの活用にも取り組み、「令和6年度介護職員の働きやすい職場環境づくり 内閣総理大臣表彰・厚生労働大臣表彰」にて奨励賞を受賞されました。

「すべてのお年寄りを大切にする」という設立当初からの熱い想いを行動指針として、地域に根差した施設運営を目指し、「養護老人ホーム泉荘」と「グループホームのどか」を運営されています。


【泉荘】
一人一人が生きがいを持って生活できる場を目指されている養護老人ホーム(定員50名)

【のどか】
認知症の高齢者を対象にし、住み慣れた地域で少人数で共同生活をする施設(定員18名)


保内園では、どのような副業プロジェクトが進行しているのか。
金子さん(施設長)と笠井さん(ホーム長)、植村さん(副業人材の方)にお話を伺いました。


プロジェクトを始めた目的

保内園は、「全てのお年寄りを大切にする」ために、人々の安心安全な生活を守り、日本一笑顔が多い施設を目指されています。

■金子さん:
『生活されるお年寄りはもちろんなんですけれども、職員も生き生きと働きがいを持って、そういった職場を目指しておりまして。みんなが笑顔になれたらいいね。ということで、そういった目標にしております。』

プロジェクトの当初は、SNSでの情報発信などで人材不足を打開しようと考えていたそうです。 進めていくにあたり、どういったことがしたいのかを問われたことで、プロジェクトの目的が明確になっていきました。


■金子さん:
『老人ホームというと、なかなか敷居が高くて入りづらいというイメージがあるかと思います。まず、私たちが法人としてやりたいと思ったのが、「地域に開かれたコミュニティになりたい」ということと、「施設のイメージアップ」や「介護の魅力を伝えていきたい」ということでした。


そういったことから、人材の採用や育成に繋げていきたいなと思っております。若い方でも働きたいと思っていただけるとか、やりがいや誇りを持ってお仕事についていただきたいなというところです。』

老人ホームというイメージを変えるため、どのような方と、どんなプロジェクトを進めているのでしょうか。

植村さん(外部人材)について

■植村さん:
『大学を出てから39年間、総合商社に勤め、地方創生やスタートアップ、新しいビジネスモデルなどを企業で長年やっておりました。』

大手の商社マンとして世界各国を飛び回っていた植村さんは定年後、大学の教授として新たなキャリアに進まれました。 現在は、名古屋市の大学から都内にフィールドを移し、2024年から帝京平成大学の人文社会学部経営学科で教授として産学連携事業に携わられています。


植村さんは、なぜ保内園でのプロジェクトに参画されたのでしょうか。

■植村さん:
『NPOなど非営利団体の経営などを研究してましたし、商社の時も地域の介護などをテーマにした経営改革のお手伝いした経験があるのが理由の1つです。

もう1つは、地域で採用の難しさは名古屋の大学にいる時も大きなテーマとして研究していましたので、この課題解決に少しでもお役に立てるかなと思い、保内園のプロジェクトに応募させていただきました。』

プロジェクトの内容

ブランディングによって人材の採用や育成に繋げていくプロジェクト。
Otanomiでは、養護老人ホームの認知度向上と地域のファンづくりのためのブランディング支援を募集していました。
→実際に募集したプロジェクト←


現在は月1回、オンラインや現地でのミーティングをしながら進めています。

■植村さん:
『比較的大きな企業でも業種によっては、ものすごい人材難で、全国的にも採用に苦労をしている厳しい状態であると思います。業態によっては単にアピールをしただけで人が簡単に集まる時代じゃないのは明らかですよね。ですから、何か仕掛けをしないといけないと考えました。』


この仕掛けでは、入居中の方だけでなくスタッフの方も顧客と捉え、両者に対するサービス向上を図るとのこと。 (以後、入居中の方=利用者、スタッフの方=職員と記載)


■植村さん:
『社内で何か仕掛けをして利用者や地域の方にアピールすることが、結果的には職員の採用増に繋がりますし、これから利用される方もそれに応じて増えてくると思っています。』


具体的にどんな仕掛けをするのか。
最初の3ヶ月ほどは様々なアイデアを持ち寄りながら話し合いを重ね、2つの取り組みに決められたそうです。 そのうちの1つが、大手の携帯電話販売店と連携したスマホ教室。


■植村さん:
『利用者はお孫さんとLINEなどで交流ができるようになると同時に、職員の皆さん自身もイベントに立ち会うことで何か新しい気づきや学びができる。ということを狙って提案しました。』

■金子さん:
『最初はビックリしました。ただ、職員みんなで意見を交換していく中で、そういったところを強みにできたら面白いし、それもPRしてブランディングや人材採用に繋げられたなと、みんなで話すようになりました。』


イベントのプランニングや販売店との交渉など、植村さんがチームの一員としての心持ちで実現に向けて進められたそうです。
この取り組みは2回行われ、地域の方々も参加されました。

初回は、お子さんがスマホを使い始めた子育て世代ならではの懸念に対応するために。
2回目は、シニア世代の生活利便性を高めるために実施され、20名ほどが参加。


これまで行ったことのない方向性での新たな挑戦に触れ、実際に職員にも変化が生まれてきているそうです。


プロジェクトの進行と成果

■金子さん:
『職員も、色んなことにチャレンジしてみようという雰囲気になっております。先日は家族会という定期イベントでハグをする企画をやりまして。これまでだったら出ないような発想だったんですが、そういったチャレンジ精神が本当に出てきたと思っております。』

たまたま聞いていたラジオ番組で「生きてるうちにハグしておきたかった」というコメントを聞いた職員からの提案で、実施することになったそう。


■金子さん:
『利用者とご家族が久しぶりにハグをされたんですね。本当にいい笑顔をされて、泣いちゃう方もいらっしゃって、見てるこっちも嬉しかったですね。』

■笠井さん:
『外部の視点というところで新しい方が入ってくると、施設としても職員としても活性化しますし、新しいことを始めるということは職員のモチベーションアップにも繋がっていると思います。』

今後の取り組み

スマホ教室の他、もう1つの取り組みとして、働き方改革にも取り組まれていくそうです。

■植村さん:
『働き方改革の一部として、カスタマーハラスメントに関する取り組みを金子さんとお話しています。』

令和2年にカスタマーハラスメント(暴言や不当な要求などの著しい迷惑行為)に関して、事業主は、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組を行うことが望ましい旨、また、被害を防止するための取組を行うことが有効である旨が定められました。


■植村さん:
『職員に安心して働いていただくと同時に、いわゆる心理的不安などがない状態で介護サービスなどを提供できるということは、利用者のためにも絶対プラスになると思います。他にはない保内園の働き方の一つになればと考え、これから具体的に企画していきます。』

■金子さん:
『介護業界ってIT化やDXなど変革の時期だと思うんですね。それと植村さんからご提案いただいたカスタマーハラスメントに関する取り組みは、本当に根本を変えるものだと思っていまして。今まで職員が我慢していたハラスメント等に対し、より安心して働ける職場だとアピールできることは凄く大きなことだと思います。』

■植村さん:
『(スマホ教室と働き方改革の)両方の仕掛けをした上で、今後は、できるだけマスコミの皆さんや世の中にまず知ってもらおうと考えています。どれだけ良いイベントをしても、やっただけでは絶対に採用増につながらないので、極力いろんな媒体を使ったPRも自分が果たしながら何とか実現したいです。』

これまで大手の商社マンとしてご活躍されていた際、経営企画として数多くのプレスリリースなどにも携わられていたそう。


■金子さん:
『自分達で形にできるのかな?ってところを植村さんからズバリ提案いただけるので、自分達の気づきに凄くなります。それに若い方のご意見とか考えなども教えていただけるんですね。「今若い方はこういうことで、こう動いてるよ」などの知見をいただけるのも本当にありがたくて勉強になっています。』


未来とビジョン(今後取り組まれること、意気込みなど)

■金子さん:
『まずは地域の方々に施設にお越しいただきたき、そこから、「施設ってこんな雰囲気なんだ」とか、「職員はこんな仕事をしてるんだ」とか、「利用者ってそんな素敵な笑顔をするんだ」ということを見ていただきたいなと思っております。』


■植村さん:
『金子さんや職員の皆さんの人間味が溢れた人柄に惚れました。「介護って、こういう皆さんだからこそ出来るんだな」ということを強く感じています。少しでも皆さんのやっていきたいことを私は形にしていく。こういう役割を今後もずっと果たしていきたいです。

保内園と共に地域の介護のイメージを変え、利用者、職員、地域の人達が、いずれも保内園で新しい発見をする。そういった園を一緒に目指していきたいと私は強く思っています。』

副業や兼業で仕事をお探しなら「Otanomi」へ

Otanomiは、「副業・兼業から始める地方創生」をテーマに、地方自治体や企業の課題解決に対する取り組みにチャレンジできるサイトです。
Otanomi

Otanomiではよくある求人票ではなく課題を掲載しているため、困りごとがダイレクトに分かるという特徴があります。
課題を見て自分にできそうだな、とお考えであれば応募をし、実際に自治体や企業の担当者と話をして、条件が一致すれば実際に仕事がスタートします。

応募をしてもいきなり採用されるわけではなく、しっかり話しを聞いたうえで判断ができるためお互いに安心できる環境が整っています。

フリーランス・副業・兼業などで地域と繋がってみたい際は、ぜひOtanomiをご利用ください。 副業からはじめたい場合も歓迎です。


まとめ

他者の⼒を借りて事業を推進する、実現することは、業務委託・外部発注・アウトソーシングなど、これまでも社会⼀般的に⾏われてきました。
昨今では、副業やスキルシェアといった形で参⼊される⽅々も増え、お互いに可能性が拡がっています。

また、副業やスキルシェアには、⾦銭的な報酬よりも経験的な報酬や地域貢献などを動機とする⽅々が少なくないといった特徴もあります。

企業にとっては、事業の推進や課題の解消など。
副業⼈材にとっては、経験によるスキルアップや地域貢献など。
それぞれの想いを実現し合う⼿段の1つとして副業プロジェクトを検討されてみてはいかがでしょうか?


本記事が、地域企業の皆様にとっても、副業に関⼼のある⼈材の皆様にとってもご参考になれば幸いです。


地域の副業・兼業の会員登録はこちら

最後までお読みいただきありがとうございます!
地域の『課題』と解決できるスキルを有する『ヒト』とを結ぶマッチングサイト「Otanomi(オタノミ)」へはこちらから。

https://o-tanomi.jp/