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認知症を発症した妻とのかけがえのない日々の記録 〜「大花野の会」を開きました。
「大花野の会」を開催
今日は僕が管理する建物の一室に、俳人の小山正見氏を迎え「大花野の会」を行いました。
認知症を発症したとの日々を記録した句集「大花野」(朔出版) は2年前に刊行されて以来テレビや新聞等で取り上げられ、反響を呼びました。
格闘の日々
現在奥様は施設に入られましたが、それまでの日々の孤独な格闘が小山氏の話から偽りなく伝わってきました。
発症した頃は、記憶を失う不安に怯える奥様に寄り添い、やがて自宅を認識しなくなり、徘徊する・・。
それにもかかわらずこの句集から「何かが幸せ」と読者が感じるのは、小山氏と奥様の間にある温かな心が失われていない場面が俳句を通して読者に伝わるからでしょう。
「ありがとう」という言葉
施設に入る前は地域の人々のつながりに助けられ、現在は施設に面会に行く時、職員さんに支えらていることを感じているそうです。
「ありがとう」という言葉の意味と「人のつながりの大切さ」を感じるお話に、参加者の皆様はそれぞれにうなづいていました。
心のリセットボタンを押す
「大花野」の中で、僕が好きな一句を紹介させていただきます。
一時を委ね小春のカフェ・オレ
人は誰でも時に、自分ではどうにもならない状況の時があります。そんな時、ほんのひと時でもカフェオレかお茶を1杯飲み、1度心をリセットして、運を天に任せるような時間が必要であると、この句はさりげなく語っているのではないでしょうか。
参加者の皆様はそれぞれに何かを考えさせられたようで、ある参加者の方は「同居する認知症状のある父親が、以前よりも表情が豊かになりました」というプラスの面も分かちあって下さり、有意義な語らいとなりました。
偽りなき涙
最後に小山氏は感極まり「以前働いている時は「何かを成し遂げなければならない」と思ってきましたが、それはもうどうでもよくなり、今はただふたりで静かにいればいい、と思うようになりました」と、涙ながらに語りました。
それを聞いて僕は( 世の中を生きるで大切なことはあるけれど、人間にとって忘れてはならない、本当に大切なものは何だろう・・? )と考えさせられました。
そんなことを思い巡らせる句集「大花野」を、あなたもぜひ、手に取って読んでみてはいかがでしょうか。
今回は僕が介護職員だった頃の思い出の場面の詩を、お届けいたします。
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