父が足るを知ってた
母については今までちょこちょこと書いてきました。
過保護で過干渉な母。でも最近適切な距離が取れるようになってから関係が良くなったこと。
でも父について書くのはたぶん初めてだと思います。
父は働き者です。
月曜から土曜まで働いて、日曜も家族の送り迎えや食料品の買い出しに行ったりして、全然休んでいないイメージ。
実家で暮らしていたとき、食洗器に家族の食器を予洗いしてから入れるのは父の担当だったし、お風呂の掃除も自分の仕事着の洗濯もしていたので、たぶん同世代の男性の中ではかなり家事もこなしている方。
これといった趣味もなくて、友だちもいない。
人生、面白いのかな?と思ってました。
思いあぐねて、聞いてみたことがあります。(本人に)
そうしたら「面白い」という言葉が返ってきました。
父は、仕事が好きなんですって。
色んな業種を経て、今はあまり人と関わらないで一人で黙々と作業する類の仕事をしているのですが、それが性に合っていたのだそうです。
だから今は週6日、ときに週7日働いても苦にならないのだそう。すご。
あと、わたしから見たら母にこき使われてるようにしか見えないけど、父は母を愛してるみたい。へぇー。
世の中には、働かなくてもお金に余裕があって、美しくて才能もあって毎日キラキラした場所で遊んで騒いで何不自由なく思われるのに虚しい気持ちを抱えた人もいれば、週6~7日働いて趣味も友だちもなく淡々と生活しているのに楽しい人もいるんですね。
父に「吾唯足るを知る」の精神を見ました。
(たぶん父はこの言葉を知らないけど)
わたしは恐らく、本質的に父に似ているのだと思います。
父はいわゆる成功者でも趣味人でもないので、子どもの頃は父の毎日が充実しているようには思えなかったし、周囲から父に似ていると言われるのはイヤなものでしたが。
わたしは父と違って仕事が楽しいとは思っていないけど、たぶん主婦業よりは会社員の方が向いていると自覚しています。
友だちもいないし打ち込める趣味も無いけど、家族(夫)には恵まれているし、このままですこぶる幸せです。
夢や希望を持って日々頑張れる人はすごいと思うけど、裏を返せば「これじゃ足りない」「今のままじゃダメだ」「もっと、もっと」というような欲がある人、ということになります。
そういう人がいないと何も進歩しないし、その努力は正当に評価されるべきだと思いますが、このままでいいと静かに瞑想するのもまた自由。
粛々と生活して、たまに美味しいものを食べたり面白い本を読んだりちょっと遠出してみたりする、日々のあれこれを慈しむ人生も悪くないなと思うのです。
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