「それは失礼なんじゃないですか」にモヤモヤした話
ある日、40代の管理職と20代の一般職が言い合いを始め、部内が険悪なムードになりました。
意見を求められたので、わたしは双方の主張を聞き、一般職の社員が言っていることのほうが理にかなっているのではないかと思ったので、それを正直に伝えました。
そうしたら横槍が入って
「それは管理職の方に対して失礼なんじゃないですか」
という指摘を受けました。
失礼、とは。
***
後日、わたし(一般職)はその、横槍を入れた社員(総合職)からまったくの別件で質問を受けました。
質問内容を聞いた直後、横槍さん宛に電話が掛かってきたので、彼が電話対応をしている間にわたしは聞かれたことを調べました。
電話が終わったので、横槍さんに調査結果を伝えようとしたところ
「いや、今掛かってきた電話の内容の方が大事なんで」
と言われて話を遮られ、横槍さんは他の社員との会話を始めてしまいました。
…
失礼って、なんでしょう。
礼を尽くすとは
どういうことを言うのでしょう。
***
どうやら、横槍さんのなかでは明確に上下があって、下は上に物申してはいけない、また上は下に少々礼を欠いても問題ない、という図式のようなのです。
でも、わたしの中にはそれほど上下がなくて、管理職というのは「言うことを聞くべき偉い人」ではなく「社員を管理する役割を担っている人」という認識です。
恐らく、ここに大きな認識のずれがあって、わたしと横槍さんの主張は平行線をたどり、交差する点が見当たらないのでしょう。
わたしは、どちらの主張を正しいと思うかという判断をする際、役職は関係ないと思っています。
どんな立場の人だって間違えるし、勘違いも失敗もするからです。
もちろん、わたしの考えが正しいという保証もないのだから、お互いが意見を出し合って結論を出す糧にすればいいだけの話だと思います。
また、もしわたしが誰かに手間をかけたときは、相手が誰であってもまずお礼を言いたい。
もし緊急の案件が入ってすぐに聞けない場合はそれを伝えて謝った上で、時間を改めてもよいか尋ねます。
わたしにとってはそれが
「礼を尽くす」ということです。
前提条件が違う人との
コミュニケーションは、難しい。
きっと、世界にはもっともっと深く遠く、圧倒的に異なる「常識」を持った人が存在していて、双方の妥協点を見つけていくのはこんな小さなすれ違いよりももっと、大変なことなのだろうなと思います。