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真剣に答える、たとい求められていなくても。

どういう経緯だったかは忘れましたが「やっぱり女の人っていうのは花束をプレゼントされたら嬉しいんでしょ?」と聞かれたことがあります。

わたしはこう答えました。

女性全般のことは知りませんが、あくまでわたし個人の意見としてはそもそも、生き物をプレゼントするセンスが怖いなと思いますね。

花って生き物でしょう。たとえば犬とか猫とかを気軽にプレゼントする人ってどう思います?
生き物を貰ったら、どうしたってお世話がセットになってついてくるでしょう。相手に生き物のお世話をする環境や余裕や覚悟があるかもわからないのに、ただ「かわいいから」という理由で生き物をプレゼントするなんて、想像力に欠ける人だなっていう印象、抱きますよね。わたしなら抱きます。

そもそもわたしにとって切り花って、地面に生えていれば1年や2年、もしかしたら一度花を咲かし終えても幾度も同じ場所で芽を出し花を咲かせたかもしれない命を途中で切り取った代物っていうイメージが拭えないんですよね。
受け取った側が献身的なお世話をして、懸命に長らえるよう努めたとて、日々痩せ衰え朽ちていく姿を見ながら、1週間か10日で確実にお別れを迎えることになるのだし。

わたしは生き物が徐々に弱っていく姿を見るのが嫌なので、花束をプレゼントされても嬉しい気持ちにはなりませんね。
あくまで、わたしは、ですけど。

わたしに質問した人は、恐らく以下のようなやり取りになることを想定して質問を投げかけたのでしょう。

「やっぱり女の人っていうのは花束をプレゼントされたら嬉しいんでしょ?」
「そりゃ嬉しいですよ~!わたしもお花、プレゼントされたいナァ。」

期待通りの返答が得られなくて、残念でしたね。

ただ、わたしは正直を信条としていますので、聞かれたことには真剣に答えます。
常に想定内の、安定した受け答えやキャッキャウフフを求めているのであればわたしに質問しないほうがいい、ということをお伝えする為にも、常に真っ正直に答えるのは有効だと思うのです。

わたしは、回答がわかりきった雑談を好みません。
どうせ会話するなら、自分とは異なる意見を聞いて「そういう考えもあるのか」と発見したいし、ごく稀にわたしと同じ意見を聞いたなら数少ない共通点を寿ぎたい。

引かれたって、バカにされたって、わたしは正直に、真剣に答えることをやめません。

…というか「たぶんこの場で求められていること」を類推して答えるのに飽きたのです。
そういうのは、10代20代のときに散々やったからもういい。終わり。

せっかく大人になり、食い扶持を得、誰かに生殺与奪の権を握られる生活から抜け出すことができたのだから、あえて自分から下手に出て忖度して機嫌をとって…みたいなことはもうするまい、と心に誓っているのです。

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