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左右されるのも悪くない
周りからの影響を受けやすいことについて
悩んだ時期がありました。
子どもの頃は
仲の良い友だちの口癖や口調が移ったり
身近な人の話を信じ込んだり
不機嫌な人の横で一緒に塞ぎ込んだり
とかく
お前は人からの影響を受け過ぎだ
自分の意見はないのか
もっと自分を持て、と
叱られたものです。
でも、大人になって
わたしは気付きました。
外部の影響を受けて左右されるのも
悪いことばかりじゃない、ということに。
***
夫は、外部からの影響を受けにくい人です。
人からの評価もあまり気にならないらしく
どこ吹く風、とニュートラル状態が続きます。
ちょっとしたことで動揺して右往左往してしまうわたしからすると、非常に羨ましい性質。
ただ、一回落ち込むと大変です。
沈んでいる彼に、わたしが何を言おうが言うまいが関係ありません。
ただ、回復するまでおとなしく待つしかない。
彼の機嫌を取れるのは、彼だけだから。
彼を許すことが出来るのも、彼だけだから。
わたしは、というと
何分影響を受けやすいので
美しい音楽を聴いたり
甘くて温かいものを飲んだり
小説の世界に没頭したり
時には
ちょっと口角を上げてみたりするだけで
結構、簡単に回復します。
便利です。
大学生の頃、校則から解放されたので、試しに金髪にしてみたら、今まで品行方正に生きてきたのになんだか悪い子になったみたいで、使う言葉や態度もすこし、変わった時期がありました。
夫も金髪時期があったそうなので、その気分について話してみたら「髪色で言葉とか態度が変わることはない」との返答でした。
やっぱり夫は夫であって、若かろうが金髪にしようが、ブレないんだな。
***
影響を受けやすい、受けにくいも、善し悪しというよりただの「違い」なのでしょう。
弱点になることもありますが
きちんと把握していれば
ときに美点にもなり得ます。
影響を受けやすい、ではちょっと長いので
何か一言で示せる語はないかと検索したら
感受性が強い
感性が豊か
動じやすい
デリケートな
などが検出されました。
そうか。
「あなたって人からの影響を受けやすいよね」
だとちょっと悪口気味だけれども
「感性が豊かだよね」
と言い換えれば褒め言葉風味です。
わたしは、感性が豊かなだけ。
あの頃、叱られて落ち込んでいた幼いわたしに
よしよし、してあげたいと思うのです。