夏ドラマ/いじめる奴と仲良くなりたくない、あとサウナ行きたい
2023年夏のお気に入りドラマについて、続きを書きます。
仕分けた結果と、1)「初恋、ざらり」2)「彼女たちの犯罪」についてはこちら↓
3)「最高の教師 1年後、わたしは生徒に■された」
昨今の教師というものは、余命宣告されるか、生徒に突き落とされて人生2周目にならないと本気で生徒と向き合えないものなのでしょうか。
…いや、向き合えませんよね。
生徒からも生徒の親からも
好き勝手な理想を押し付けられ
未来ある若者の将来に関わる重責を負い
持ち帰り仕事が多く家でも気が休まらない
割にお給金はさほどでもなく
残業代も休日手当も支給されず
いつ録音や盗撮をされて
ハラスメントで訴えられるかもしれず
全方向への気遣いが求められる…
過酷。
教育現場、過酷すぎる。
このドラマは、卒業式で担任クラスの生徒(誰かは不明)に上階から突き落とされたけれども、地面に到達する寸前で始業式まで時空が遡り、生徒から殺されない為の1年が始まる…というとんでも設定です。
でも、そのくらい突飛な舞台にしないと、令和の世に生きる教師があれほどまでに必死で生徒に介入していくことに説得力を与えられなかったのかもしれませんね。
ドラマ作りにも本気さが感じられます。
生徒や教師や保護者に取材を行っているのかもしれません。完全なフィクションであれだけのリアリティが出せているのであれば、逆にすごい。
悩みは無い?大丈夫?いつでも相談してねと声掛けする程度のぬるい対応にはまったく効果が無いことを、第一話から思い知らされます。
実際、片手間でやってんな、事なかれ主義だな、その場しのぎだな、とりあえず言ってんな、などということは観察していれば分かるものです。
逆に本気で向き合おうとする覚悟、のようなものも、本腰を入れれば徐々にではあるが伝わり、波及していくものなのかもしれません。
わたしは金八先生で言うと健ちゃん世代(第5シリーズ)です。
あの頃の金八っつぁんの気迫にも凄まじいものがありました。命を狙われているわけでもない薄給の公立教師なのに。
俗人では到達出来ない境地です。
「最高の教師」でも「金八先生 第5シリーズ」でも、いじめが描かれます。
我々はどうしてもいじめ「られる」側に焦点を当てがちですが、いじめる側をどうにかしていかないと根本的な解決にはならないことを、20年以上前の金八先生で既に描いていたのだなと今更ながら感じ入ります。
「最高の教師」第3話で膝を打ちましたが、そもそも人をいじめることで恐怖を煽って無理矢理クラスを統率しようとするような奴、仲良くなんてなりたくないしこっちから願い下げですよね。
それなのにどうしてわたしたちは、仲間はずれにされることを恐れて、従おうとしてしまいがちだったのでしょう。
あんなのと連れ立ってコキ使われるくらいだったら、1人でいたいな。
でも学生の頃はわたしも、そんな強さを持ち合わせていませんでした。
いじめる側が問題なのだという認識が広まって
「あいつ、人をいじめてるよ。カウンセリングを勧めた方がいいと思うよ。」
と行動を起こす善意の第三者が増えれば、いじめは減っていくのかもしれません。
4)「湯遊ワンダーランド」
サウナ。
サウナ、水風呂。
サウナ、水風呂、外気浴。
今まで、男性のサウナドラマはあれど、女性のそれは無かったのではないでしょうか。
撮影、大変ですものね…。
銭湯に、主(ぬし)のような古参客がいて
「歯は家で磨きな!」
「かけ湯はちゃんとしたのかい?」
「サウナの後は体を流してから
水風呂に浸かるんだよ!」
などと周囲の銭湯客のマナー違反を叱り、
知らない者がいれば
「見ない顔だね」と声を掛ける。
あるある。
いや、さすがにドラマですから誇張はしていますが、わたしも銭湯で主と思しき方に声を掛けられたことはあります。
経営者でも関係者でもない一介の客の立場で、あそこまで我が物顔出来るというのは、もはや一つの能力と言えるでしょうね。
池や湖や沼は、それぞれ主と呼ばれる長寿の生き物が司っているイメージがあります。
銭湯も湯を湛えた場所ですから、例外ではないのかもしれません。
毒が溜まって行き詰まった漫画家が、1話でサウナに入り、2話で水風呂に入り、3話で外気浴を知りました。整ってた。げにいみじ。
4話ではどうなっちゃうんだろう、と楽しみにしています。