N/A【読書感想文】
身近な人が抱える複雑な背景に寄り添いたい人におすすめです。
〈あらすじ〉
〈感想〉
主人公(まどか)はLGBT+の枠組みに当事者性を持っておらず、かけがえのない他人になれるなら過程がなんであれ構わない
という考え方のもと、うみちゃんと付き合っていました。
(正直、自分が主人公の友達だったら確実にLGBT+だと判断して、検索エンジンに「対応の仕方」って絶対かけます。相手を傷つけたくないし、相手の逆鱗に触れて自分が傷つきたくないが為に正解に近い対応を調べると思います。)
LGBT+の枠組みを居心地良く思っている人にとっては検索エンジンに表示されたマニュアル通りの対応も大正解の行動だと思ってますが、
主人公含め、誰でも枠に当てはまらないことはあって、分類されることが不快な人もいることを忘れちゃいけないなと感じました。
当書では
まどかはまどかであって、何者でもない。
という文言があって、これがおそらく主人公の考え方の基盤となっているのでしょう。
それなのに、まどかが周りと同じように勝手に友達を属性の枠組みに分類して正しい対応をネットで探すシーンがあって、
まどかが友達の為だけにあてた言葉を生み出せず、結局は同じ穴の狢だったことに少し落胆してしまいました。
相手をそのまま捉えて、相手の為だけの言葉を紡ぐことははなかなかできることではないですが、少しずつ自分の行動を見直そうと思わせてくれた1冊でした。