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人生で初めてメタルギアソリッドをプレイした話
「パッケージの裏を調べてみろ」
「見えるぞ、貴様の記憶が…ときメモが好きなようだな」
「わかったぞコントローラー端子だ!」
「LIFEがなくなるとゲームオーバーだ」
小学校低学年の時の話だ。Wiiで発売された、「大乱闘スマッシュブラザーズX」を買い、そこで初めて「スネーク」というキャラクターを知った。
ワタクシに限らず、スマブラをきっかけでスネーク及びメタルギアというシリーズゲームを知った人もきっといただろう。
小学校時代によく一緒に遊んでいた友人もその一人だ。そいつといる時、よくメタルギアソリッドの話をよくしていたし、「いいセンスだ」、「うますぎる!」なんて台詞も口にしていた。
なんとなくだが、ガキだったワタクシにはスネークもメタルギアの世界観もカッコよくてロマンがありそうだと思っていた。自分でも遊んでみたいと思っていたものの、プレイステーションも持っていない上に、買う機会もなかなかなかった。
そうして、気づけば成人男性へと時が過ぎて、ニンテンドースイッチでメタルギアが遊べる時代へとなっていた。
思えば、子供時代にあれだけ「メタルギアソリッド遊んでみたい!」と思っていたのに、自由にものを買える年齢にもなって、ついに遊べるようになって、さらにはワタクシの人生で切っても切り離せない企業である任天堂のハード機器で遊べる時代になったと思うと、感慨深いものがあり、
「いい時代になったものだな!」
とスネーク風の声で口にしたくなる。
そんなこんなで令和という時代の中で、少なくとも平成時代の間で遊ぶだろうと思っていた、メタルギアソリッドを人生で初めてプレイしました。
さて、肝心のプレイしてみた感想だが、慣れないステルスアクションだったため、比較的難しかったと言いたい。
「これクリアーできるかな…」
なんて思ったこともあったな、最初は…笑
しかし、経験したことのない体験だったため、とても面白かった。
アクションゲームと聞けば、戦うことが基本であることを無意識に刷り込まれていたため、戦わずに進むことは新鮮だった。新しい武器を持つと試すために戦いたくなるけど、潜入の意味がなくなってしまう。最初のうちはもどかしかったものだ。
けど、ボス戦まで進めば、武器を駆使した戦闘アクションを大いに堪能できる(武器で戦えないボスもいるが)。
だが、手慣れているかのように述べたものの、戦闘アクションが久々すぎるからか、そもそも慣れていないからなのか、はたまた、もともと向いていないからなのか、ワタクシは戦闘アクションがとてつもなく下手くそだ。今作ではあまり苦労はしなかったものの、その下手くそさで、今後のシリーズでたくさん苦労してしまうことを、この時の旅斗氏は知る由もなかったのだ…。
また、ストーリーも笑いあり、涙あり、だった。
ここからはネタバレ注意
笑いあり、涙ありということもあり、面白かった点、ちょっと泣きそうになった点もあった(涙流してないんかいというツッコミはなしで)
やはり、笑わない場面といえば、メタ発言だろう。
特に笑いが止まらなかったのが、
「パッケージの裏を調べてみろ」だ。
作中でメリルと無線をする必要があったのだが、その際にメリルと無線していたアームズテック社の社長が無線番号を教えようとするも
「忘れてしまった」
と言ってしまう。
そのあとに、
「そうだ、パッケージの裏に載っているはずだ」
と口にした。
「パッケージ??」
とワタクシは思ってしまい、ゲーム中のどこから「パッケージ」と思わしきものがあったか?と考え直した。
これまで進んできたステージをもう一度戻り続けたが、「パッケージ」らしきものは見つからなかった。
大佐に聞いても、
「パッケージの裏を調べてみろ」
の一点張りだった。
序盤の方でいきなり詰んでしまい、休憩していた時だった。
パッケージって聞くと、ゲームソフトが入っているパッケージしかイメージができなかったため、なんとなくメタルギアソリッドマスターズコレクションのパッケージを眺めていた。
裏を見た時、無線している画面が入っており、よく見ると、番号も書かれていた。
「あ、え、そういうことかよ!」
としばらく笑いが止まらなかった。
全くの盲点だった。そこから、やっとこのゲームの世界観を理解したのだ。
メタ発言ありきの世界であることを(笑)
ワタクシのゲーム機では、演出されなかったが、サイコ・マンティスのメタ発言もなかなかだ。
「見えるぞ、貴様の記憶が…ときメモが好きなようだな」
「小島作品が好きなようだな?(小島監督『いつも応援してくれてありがとう…』)」
「コナミのゲームが好きなようだな」(はい、結構好きです)
そのほかにもトイレネタや佐々木ジョニーネタ、「すいませんつい!」などの小ネタが詰まっていたが、ダントツに面白かったのがこう言ったメタ発言の多さであり、メタ発言って高度なギャグなんだなと改めて実感した。
ちなみに、斬新な攻略法であろう、サイコ・マンティス戦だが…
マンティスは心が読める。そのため、どんなに攻撃しても外れるのだ。
最初はマンティスに攻撃できる瞬間というか、チャンスがどこかしらにあると思い込み、ひたすら銃を撃ったり、格闘で戦って見たり、急に止まって急に動き出すなどと、長い時間をかけて戦っていました。
しかし、どれもうまくいかず、2度もゲームオーバーになってしまった。そして、3度目の戦いの時にいきなり無線が流れ始めた。
「わかったぞ、コントローラー端子だ!」
と大佐が言い始めたのだ。
「え、コントローラー端子って、switchで遊んでるんだが…?」
と、思いながらも、本体に差し込まれているジョイコン二つを2Pとして用意すると、
なんと、スネークを操作できたのだ!
しかも、避けられることもなく普通に戦うことができる!
苦戦することもなく、サイコ・マンティスを撃破!
2プレイヤーとしてコントローラーを登録して戦うという攻略方法なんて、他のゲームにあっただろうか?
少なくとも、ワタクシはそんな攻略方法を経験したことがないため、斬新なプレイで、とても印象的だった。
そして、ちょっぴり涙が流れそうになった場面が最後の無線で、ナオミと話している時だった。
作中にもスマブラにも出てくるサイボーグ忍者、
いや、ディープステート、
いや、グレイ・フォックス、
いや、フランク・イエーガーがナオミの兄であることはとても驚いた。そして、ナオミの両親を殺したことも(それでも知らずに兄として愛していたナオミ…)
そんな告白をスネークにしてくれた後、フランクはメタルギアレックスに致命的なダメージを与えて、あの世に言ってしまった。
「スネーク。俺たちは、政府や誰かの道具じゃない。戦うことでしか自分を表現できなかったが、いつも自分の意思で戦ってきた。スネーク、さらばだ」
この言葉は刺さってしまう…
そして、メタルギアレックスを倒し、リキッドとの格闘も制し、メリルを連れて脱出。
そして、大佐を通じてナオミとの最後の無線。
ナオミ「スネーク、私よ…。」
スネーク「ナオミか?」
ナオミ「聞いたわ…。兄のこと。」
スネーク「ああ、その…。フォっK…いや、フランクから伝言がある。」
ナオミ「え?」
スネーク「『俺の事は忘れて、自分の人生を精いっぱい生きろ…』」
このシーンでワタクシは涙が出そうになり、つい堪えてしまった。フランクがナオミに両親のことを殺したのは俺だと伝えろとスネークに話し、そして最後のプレゼントを渡してくれて、この世を去ったという流れがあまりにも感慨深く、しかもスネークが両親を殺したのはフランクであることをあえて伏せたこともあって、このシーンはとても感動的だった。
プレイ中はこのシーンが一番感動的なシーンだったが、改めてストーリーを見直すとメリルエンドでしか見れないオタコンとの最後の無線もかなりの感動シーンだ。
オタコン「スネーク!彼女は何の為に闘ってたのかな?僕は何の為に?スネークは何の為に?」
スネーク「生きて逢えたら答えを教えてやる」
スネーク「お前はどうする?」
オタコン「僕? 僕は…。ここに残る。脱出路を確保するには、もう少し時間が必要なんだ。」
スネーク「しかし…。」
オタコン「脱出路の解除はかなり厄介なんだ! 僕にしかできない。」
スネーク「オタコン?」
オタコン「心配いらないよ。僕はここに残る。自分の意志で決めた事だ。」
スネーク「地下基地といえども地表を貫通する核爆弾だ。容赦ないぞ。」
オタコン「もう、過去を悔いる生き方はやめたんだ。人生は失うばかりじゃない…。」
スネーク「…。」
オタコン「スネーク、僕は以前より充実してる。生きる目的ができたんだ。」
スネーク「わかった。死ぬなよ。」
オタコン「それはお互い様。メリルと仲良くな。」
スネーク「ああ…。」
オタコン「じゃあ、切るよ。必ず脱出路を何とかするから。」
スネーク「ありがとう。」
オタコン「ありがとう、か…。いいもんだな…。」
スネーク「…信じてるぞ。」
オタコン「ああ。ありがとう、スネーク。」
彼の成長がいい感じに描写されており、確実に核爆発に巻き込まれてしまうのに、脱出路を確保するために最後まで残ることを自分の意志で決めたシーンは上記のナオミとの無線と同じぐらい感動した(いやむしろ、こっちの方が涙が溢れ出そうになった)。
このゲームは反戦反核を謳った作品であるが、その中でも「自分の意思で決めること」の大切さというものを何度も訴求してくれる作品だと感じ、教養にもなるゲームだなぁと思いました。
裏テーマは「遺伝子」だろうか? リキッドもナオミもオタコンも遺伝子にこだわっていて、遺伝子は絶対的なものだと思い込んでいたと思うが、遺伝子は運命と同じぐらい、変えられるものじゃないかとワタクシはプレイして思った。
現代では親ガチャとかなんとか言われる世の中で、陳腐な表現だが、ガチャを覆すことだって、自分次第で、どれだけ意思を持っているかで、道が切り拓けるものじゃないかと考えられる。なんでもかんでも努力で片付けたくないが、少なくともこのゲームを遊んで、ワタクシはそう思った。
こんな感じで笑いもあり、涙もあり、同時に考えさせられるものもあった作品でした。
本当は「人生で初めてメタルギアソリッドシリーズを遊んだ話」というタイトルにして、1〜3の感想を書こうと思ったけど、思った以上に感想が長くなったので、メタルギアソリッド2サンズ・オブ・リバティーを初めてプレイした感想は別の記事にしようかなと思います(もちろん、3のスネークイーターも)。
追記(2025/01/19)
part2も投稿しました。