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気まぐれ日記_しごとのはなし

 営業が苦手だ。
ここでいう営業とは、会社の利益のため、つまり商品を売るためにお客様へ積極的にアプローチすることである。「積極的に」というところがポイントで、はじめての就職先である洋服屋では、入店したお客様にはどんどん話しかけて商品(服)を勧めなければならなかった。それをスタッフ全員が行うため、ときには客の取り合いになることもあったし、あるスタッフを贔屓にしているお客様には、他のスタッフは基本的に話しかけないという暗黙のルールがあったりした。それだけが理由ではないが、居心地が良いとは言い難い職場で、結局2年たらずで退職した。
 それから数年たって、人生でおそらく最も長く勤めることになった料理教室でも、当たり前だがいかに多くの生徒さんを集めるかということが仕事の目的になっていた。入社してから10年ほどは、さほど強くそれを意識することがなかったのだが、コロナ禍で教室の開催が難しくなったとき、集客できない=会社の利益が上がらないことで社内の空気が変わって、ギスギスした雰囲気の中で仕事をすることが大きなストレスになった。売上不振により、契約社員だったわたしはじわじわと出社日を減らされ、最終的には契約を切られた。ひどいと思ったが、ほんの少しだけホッとした。
 次に雇っていただいた職場は、非営利法人だったため上記のようなことがないところを気に入っていた。ただ、別の原因で体調(メンタルの調子)を崩し、残念ながら辞めることになった。そういうわけで今現在は無職、絶賛就職活動中である。
 しかし、就職活動というのは企業に対して自分を「営業」する、売り込むことなのだ。その作業はやはり苦痛である。まずは自分を卑下してしまう癖をやめなければならない。誰かにわたしの長所をおしえてほしい。まあ、おしえてもらったところで受け入れられないような気もするが。

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