『ハサミ男』 殊能 将之 著
主人公は頻繁に自殺をしようとする。
そして自殺未遂のたびに面談する医師との会話が印象的な始まり。
この主人公 正体はハサミ男。
樽宮 由紀子(たるみや ゆきこ)を次のターゲットとして狙っていた。
学校で待ち伏せ、家を特定し殺す機会を伺う。
そんな最中、樽宮 由紀子は殺されてしまう。
ハサミ男ではなく模倣犯に。
その模倣犯を見つけるために本物のハサミ男は調査を始める。
被害者宅に近づいたり、関係者に話を聞いてまわる。
しかし、警察の捜査も進みハサミ男はドンドン追い詰められていくことになる。
そんなハサミ男と若い刑事の磯部 龍彦(いそべ たつひこ)の目線で語られていく。
そして、最後。 「えっ?!」ってなる。
ミステリ小説は読者に対して解けない謎をミスリーディングや気づかない小さな違和感を駆使して驚きの結末にもっていくものだと思うんだけど、この小説ほどミスリーディングに特化して小説は初めてかもしれない。
これはずるい!
正直、しっかり騙され過ぎて頭が追いつかずそれは「それは辻褄が合わないんじゃない?」と思って何度か読み返した。
が、当然しっかり辻褄が合う。これは著者に脱帽するしかない。