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『カササギ殺人事件』(下) アンソニー・ホロヴィッツ 著
STORY
名探偵アティカス・ピュントのシリーズ最新作『カササギ殺人事件』の原稿を結末部分まで読み進めた編集者のわたしは激怒する。ミステリを読んでいて、こんなに腹立たしいことってある?いったい何が起きているの?勤務先の<クローヴァーリーフ・ブックス>の上司に連絡がとれずに憤りを募らせわたしを待っていたのは、予想もしない事態だったー。
上巻で読んだ原稿『カササギ殺人事件』の犯人の考察から始まる。
ここで作中作だったことを思い出した。
カササギ殺人事件の結末の原稿が紛失しているせいで犯人は分からない。結末の原稿はどこに行ってしまったのか?
結末の原稿を探すために編集者のスーザン・ライランドは著者のアラン・コンウェイの屋敷に向かう。
これにより小説の舞台となった建物や街、人にも出会う。
小説と現実が重なりあいながら進行する中で、ミステリ小説のように現実には推理する材料は無駄なく提示されるわけではないことがわかる。
無駄になる出来事も証拠のように見えるものもたくさんある。
いろいろな伏線が最終的に全て回収されていく。
構想15年 ミステリ界のトップランナー「アンソニー・ホロヴィッツ」による傑作だけあって、「こんなのあるんだ!」と納得の伏線回収に「まさか!」の結末に脱帽する。