お店の「顔」を見れば中身はだいたい予測できる?
みなさんこんにちは。
いきなりですが、みなさんは初めての飲食店を選ぶ基準は何でしょうか?
もちろん、明確な意思を持って「このお店を利用したい」ということもあると思いますし、今はSNSやグルメサイト、グーグルなどの情報を見て決めることも多いと思います。このような場合、当然口コミの点数が高い店舗には期待しますし、万が一期待を下回った時には残念な気持ちになると思います。
私は、前情報なしで、ふらっとお店に入るのが結構好きです。
事前に余計な情報を入れないことで、ワクワク感を楽しむことができるからです。当たりなら嬉しいし、たとえちょっとイマイチな状態のお店だったとしても話のネタとして面白いと思って割り切ります。(笑)
ふらっと入っても、日本の飲食店のレベルは非常に高いので、「まずい料理」に出会うことは非常に稀だと感じています。だいたいどこの店舗を利用しても美味しいことが多いです。しかしながら「まずい接客」と「まずい環境」には一定程度の確率で出会ってしまいます。料理はおいしいけど、接客が冷たい。店内が雑然としていて不衛生に感じるなど、みなさんもご経験ないでしょうか?
こういったお店は、ほとんどの場合「心を無くして」しまっています。仕事が作業になってしまっているのです。私は飲食店は生き物だと思っています。人間の心が整っていないと、「表情」に現れます。同じようにお店の心が整っていないとファサード(店頭周り)に現れるのです。
なので、私はファサードが整っていない店舗は警戒します。例えば、入り口の看板や、ガラスが埃をかぶっていて汚れている。ずっと前から貼ってあるようなボロボロの告知物がある。メニューが色褪せているなどです。ファサードはお店の顔です。自分の顔に気を使えない人が、おもてなしの心を持てるとは思えません。一事が万事とは、まさにこの事だと思います。
反対に、整ったファサードには、店舗の「魂」を感じます。清潔で整理された外観。手書き黒板の旬な情報などを見ると、とても心地良くて嬉しくなりますし、商売に対する前向きな姿勢を感じることができ、食事への期待感がグッと高まります。
お店の「表情」を見ることで、ある程度中身を予測できると私は思っています。「やらされている仕事」では、ファサードが乱れていることさえ気付くことはないでしょう。彼らに悪気はないのです。そこには思考を停止させてしまっている環境があると感じます。
しかしながら、「お客様に喜んでもらうことをやりがい」と感じていれば、ファサードにも問題意識を持つようになるでしょう。お店のガラスが汚れていれば気になってしょうがないはずです。
以前、大手商業施設のレストラン街にある店舗で働いていた時に、施設のテナント担当者からこのような話をされました。「ファサードは、できれば毎日、最低でも週1回は変更してください。イーゼル看板の配置を変えるだけでもいいです。そうしないと、お客様から見るファサードはただの景色になってしまいますので。」最初にこの話を聞いたときはさすがに毎日変える必要があるのか?と半信半疑でしたが、実際にやってみると毎日ファサードを意識することで問題意識が強くなっていきました。「もっと手書きPOPを増やした方がいい」とか、「テーブルを持ってきて食品サンプルを置いてみよう」など、色々と工夫するようになりました。そしてそんな私の姿を見ていたお店のスタッフも色々とアイディアを出してくれるようになったのです。
そこでようやく、テナント担当者さんが伝えたかったのは、常にお店の顔に意識を向けることなのだと理解することができました。
ファサードを意識することで、お店の心が整って、結果として接客や、環境にもいい影響を与えることができると感じています。
地味ではありますが、清掃や整理整頓をすることでお店に愛着を持つことができます。そして、その気持ちがお客様に伝われば、きっと最高のサービスに発展していくのではないでしょうか。
読んでいただきありがとうございます。