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【詩】私の道標

苦労の数だけ

皺となり

我慢の数だけ

白髪となった

そんなあなたは

美しく

歯の抜けた顔で

笑う

優しい言の葉と

哀しい言の葉は

長く生きてきた証

私の道標


幸せだと言う

今が一番幸せだと

淘汰されて

何もなかったかのように

笑う

あなたの薄茶色の瞳は

私を通り抜けて

随分と

遠くを見つめているようだ

何もかも

許しているのか

忘れているのか


私もいつか

あなたのように

哀しむことに

囚われず

達成感と

満足感と

小さな足跡を残すことが

できるだろうか

穏やかな瞳で

通り過ぎてきた時の短さを

恐れることなく

感謝できるだろうか





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