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【詩】始まりは朝

白壁と靄の境に

微動だにしない老松と

幾重にも連なる屋根瓦とが

優雅に眠りから覚める

そのときを待っている

明けゆく空は

偶然にも頬を染めながら

山極を照らし始める

白い筋を残した蒼い山と

色を違えない雲さえも

敢えて曖昧なまま

恥ずかしそうに

頬を染めていく

人々の気配を感じながら

雲も靄も山も

光を浴びて

いつの間にか

冷静さを取り戻し

何ごともなかったように

動き始める








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えんじゅ
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