外国語活動と外国語科のちがいって?
前回の通信では、言語活動を中心に授業を組み立てることが大切とお伝えしました。今回は、もう少し具体的に外国語活動、外国語科の授業について見ていきたいと思います。
①外国語活動と外国語科の違い
言語活動は領域別の目標と対応して、
外国語活動(中学年)では、「聞くこと」「話すこと(やりとり)」「話すこと(発表)」の3領域、
外国語科(高学年)では「聞くこと」「話すこと(やりとり)」「話すこと(発表)」「読むこと」「書くこと」の5領域を扱います。
そのため中学年には、文字を読んだり書いたりすることを求めません。また、高学年についても「読む・書く」活動は、慣れ親しむ段階であり、十分に音声で理解した言葉を取り扱います。「書くこと」は、「書き写す」ことまでが目標になっているので、必ずモデルを示します。
②音声から文字への指導
皆さんが赤ちゃんに言葉を教えるとします。言葉を話せるようになるために、「まんま」と書かれた紙を見せ、言葉を読ませて練習するでしょうか。スーパー赤さんでもさすがにできないと思います。人間の言語習得のプロセスは正確には解明されていませんが、乳幼児期に周りの言葉をたくさん聞き、やがて1語を発し、だんだん話す言葉が増え、そして読んだり書いたりできるようになることが経験知として分かっています。そのため外国語の授業でも、まずはたくさん聞かせ、英語を浴びせることを大切にしています。
先生方も自分が使う言葉がクラスの子供たちに移っていると感じたことがある方が多いではないでしょうか。日本語も英語も改めて言う練習をしなくとも、繰り返し授業の中で使ってほしい表現、言葉を使うだけでも、子供たちはアウトプットできるようになっていきます。言語指導では、大量のインプットが必要です。
また、これらの経験から分かるように「音声が先で文字は後」というのが言語指導の基本です。授業において、英語を黒板に書いて言う言葉を確認したり、文字を見せてそれを読ませたりすることは指導として良いものではありません。
「書くこと」では、大量に聞いて理解した言葉の音声を文字に落とし込んでいきます。「発音していたこのフレーズはこうやって書くんだ」という発見が、音声と文字を結びつけ、英語を読んだり書いたりできるようになることにつながっていくと思っています。
参考資料・文献
・『小学校外国語活動・外国語 研修ガイドブック』 文部科学省
・『小学校学習指導要領 解説』 文部科学省
・直山木綿子 “どう変わった? 小学校の外国語教育(1)”Z-SQUARE | Z会 (zkai.co.jp) (参照 2023/5/18)
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