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自宅介護の実状

私には寝たきりの父がおります。
数年程前から認知症になり、昨年症状が急に進行して要介護5になってしまいました。
母の希望もあって施設に入所するのではなく、自宅での介護を選択しております。
父は母と兄の3人で暮らしており、私は直接介護には携わってはおりませんが、何かの参考になればと思い、自宅介護のリアルなお話しをお伝えしていきたいと思います。

自宅介護と施設介護の違い

自宅と施設介護の違いは、金銭面、精神面や体力面、医療や介護設備など様々な点が異なります。


1.金銭面
大きく異なることと言えば、まずは金銭面です。
下記表は老人ホーム検索サイト、みんなの介護から引用させていただいたものになります。
住んでいる地域や施設によって金額は異なり、数万円から数十万円必要とし、入居条件や設備は様々です。

*老人ホーム検索サイト、みんなの介護より引用

一方自宅介護は介護の状態にもよりますが、父の場合7万から8万円になります。
内訳)
訪問診療 約10,000円
訪問介護 約20,000円〜30,000円
訪問入浴 約6,500円
介護ベット(レンタル)約3,500円
吸引器(レンタル)約4,000円
薬代 約5,000円〜10,000円
その他 オムツ代、ガーゼ、お尻拭きなど

介護レベルによって受けられるサービスや回数は異なります。父は寝たきりの状態の為、週2.3回入浴と排泄。床ずれの処置に毎日看護師の方が訪れ、日によっては手足のリハビリ、散髪やひげ剃りをしていただきます。
口から食べ物を食べられているうちは、入れ歯の作り直しに歯科医師の方が来られ、現在は鼻から水溶物を取り入れている為、薬と共に費用がかかっています。


2.精神面や体力面
母は顔が見られなくなるのは嫌だと、自宅介護を選びました。きっと父も自宅の方が安心出来ている事と思います。
しかしその反面、介助する家族は大変です。
今でこそ看護師の方が殆どやってくださいますが、介護度が低く自力で歩けた時は大変です。
トイレに行く度に体を立たせたり、座らせたり。力が入らない人の体は重たく、素人には負担が大きいです。入浴中に風呂釜から出られなくなり、外に出すまでに大変な思いをした事もあったそうです。

介護度が上がり、殆ど家族が手を加える事はなくなりましたが、その代わり日々担当のスタッフさんが来られます。
医師や看護師、リハビリや入浴、薬屋など曜日事に時間もバラバラでスケジュール管理をするのは大変です。
母は合間に買い物や夕飯の支度もしているので、自分が休む時間もなく心身共に疲労困憊状態。
狭い部屋に急に介護ベットを入れる事になったので寝る場所もなく、父の事も気になりおちおち寝ていられないようです。


3.医療や介護設備
毎日のように医師や看護師の方が来られるので、ある意味安心ですが、やはり専門の施設に比べれば不安な事は多々あります。
誤嚥などの緊急処置は家族が吸引機等で対応しなければなりませんし、なんと言っても医療知識がない素人が見ていると言うのはいざと言う時に困ります。
医療機器も自宅に持ち込める物は限られていますし、本当に緊急の場合には救急車で病院へ搬送してもらい処置していただきます。
看護師の方ももどかしい所もあるのではないでしょうか?
家族の思いと、介護を受けている父の命のどちらを優先に考えるべきなのか、考えどころです。


高額介護サービス費と後期高齢者医療保険

高額療養費と言う言葉を聞いた事がある方は多いかと思いますが、それと似たような制度で高額介護合算療養費制度と言うのがあります。
これは医療保険と介護保険の1年間にかかった自己負担額の合計額が高額になった場合に、負担額の一部が返金される制度になります。
限度額の基準は、見出しに記載の後期高齢者医療制度と共に世帯収入となります。
後期高齢者医療制度とは75歳以上の方が加入する保険で、自己負担額は現役並の収入がない限り、1割負担となる医療保険です。

この後期高齢者医療制度の保険料と医療保険と介護保険の合算した合計金額の限度額は世帯収入が基準となる為、もし親世帯が非課税世帯であっても、同居している子が課税対象者であれば、保険料や限度額は上がってしまいます。
なので、場合によっては同居はしているが住民票上、世帯を分離すると言う方法を取られる方もおります。

内閣府ホームページ
https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/kaigi/doc/senmon138shi02_6.pdf


介護費用の準備の必要性

自分や家族が介護が必要になるかどうかは分かりません。ですが、今では5人に1人は認知症になると言われている時代です。
万が一に備えて、現金でも保険でもいいので準備をしておく事は必要だと感じております。
老後は大抵の方は年金が頼りになります。その年金から医療費や介護費用を支払っていくのは、家計にも精神的にも負担がかかります。
子供がいる場合には、子供世帯にも負担させてしまう可能性もあり得ます。
今から老後の事なんて考えたくない!と思う方もおられると思いますが、事が起きてからではもう遅いです。我が家は毎月資金繰りに四苦八苦です。稼ぎがある内に検討する事をおすすめいたします。


最後に
今回は介護の実状と言う事で少々重たい内容でしたが、いかがでしたでしょうか?
難しい言葉や制度が連なり、理解に苦しみます。
また、ケアマネジャーによって対応はかなり変わるらしく、家族との相性もあるようです。
様々な制度やサービス、補助金など自ら情報を掴みに行く事は必須です。
今回の内容が少しでも参考になればと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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