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その低確率を逆手にとれ

スキな本が他人と被る。

これほどステキなことが他にあるだろうか。
僕はこの現象のステキ具合を熱弁したい。

日本の識字率はとても高いらしい。
大抵のひとは文字を読むことができる。
大変すばらしいことだと思うし 先人たちの努力に脱帽するばかり。


しかし、しかしだ。
年間に一冊も本を読まない というひとが大勢いるのだ。

いわゆる活字離れというやつか。

特に若者に顕著に見られる現象で そう言われてもう何年になるのか。
その頃の若者はすっかりおじさんのはずなのに。
一向に活字に寄っていく気配はない。

そう まず本を読んでいる人に出会うことがすでにラッキーだということを声を大にして言いたい。

本屋に行ってみて欲しい。
そして あのおびただしい量の本をみよ。
数えてみて。
たぶん棚をふたつぐらいでギブアップすることだろう。

あれでも古い本や売れない本は淘汰され どんどん新しい本が店に並んでいる。

読書家は増えないのに 本は増える一方だ。

無数の紙のジャングルから一冊の本を選び 買うというのはまさに一期一会の出会い。

さらに その本をスキになるかどうかは また別のお話。

本をスキになるというのがいかに確率が低いことかなんとなくわかってもらえたことと思う。

本の中にはベストセラーと言われる本がある。

たくさん売れたよーっという本だ。

あなたの周りにその「ベストセラーを読んだ人」は何人ぐらいいるだろうか。

僕の周りには全然いない。

ベストセラーですらこんな状況なのだ。

読書している人が少ない。
本の数が多すぎる。
その中からスキな本に出会う。
そのスキな本をスキな人と出会う。


はい 無理ゲーだね。

いったいどんな確率なんだ。

まさに天文学的数字。


「あーその本読んだことあるある」

というのはそれなりにあるかもしれない。

でもお互いにその本がスキというのはもう相性の抜群さが群を抜いている。

サバンナにいるシマウマの柄がピッタリと同じというぐらい相性が良い。

異性なら意識していまうこと間違いなし。

この奇跡の巡り合わせを利用しない手はない。

出会いがない
いい人がいない
モテない


そんな夢も希望もない絶望を少しでも抱いているひとがいれば それはチャンスだ。

本を読め。


そしてスキな本を見つけろ。

そしてその本がスキな異性を見つけろ。

そしてその本の話題から急速に距離を詰めろ。

さすればあなたはラブラブウフフなことになるだろう。



え?
本の巡り合わせの奇跡を綴った キラキラエッセイだと思ってたって?

チッチッチ。

あまいあまい。
いちごシロップに砂糖をまぶしたぐらいあまい。

これは「モテ道」という心の武道の師範代である僕から 奥の手を手ほどきするエッセイである。

人間というのは「たまたま」「運命」と勝手に勘違いしてロマンスを感じてハッピーになる生き物なのだ。

その習性を逆手にとれ!

さぁ奇跡の一致をでっち上げろ。

その為には死ぬほど本を読め。

楽しい読書の時間を過ごしつつ 末永く一緒に過ごす伴侶を見つける手立てになるんだから言う事無し。

さぁ奥手の諸君。

明日は本屋にレッツラゴーだ。

臆するな。

もしムフフな出会いなんてなくても本は面白い。

死ぬまでひとりで読書にふけるというのもまた一興。

それもまた幸せなり。

幸運を祈る。

ではまた。



次回予告(ウソ)
「本屋で同時に同じ本を取ろうとして出会いたい」
の巻き。


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