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やる気はおじさんのために
「やる気になる」というのはどういう状況なのか。
心に火が灯り情熱が燃え上がる といった具合だろうか。
僕はいまいち やる気になるという状態を正確に把握できない。
これは 情熱がない ということなんだろうか。
そんなバカな。
情熱の塊のような男だというのに。
ウソだ。
情熱は人並みである。
僕のやる気は期日に追われる時に発揮される。
まさに火事場のバカ力のようで 鬼神のごとき仕事ぶりを見せつけるのだ。
しかし これはやる気なんだろうか。
たしかに頭も手もしっかりと働いている。
なにせ追い詰められているからね。
黙々と仕事を片付けていく。
気分は千手観音のよう。
集中力もいい感じ。
周囲には「あの人 やけにやる気に満ち溢れているな素敵♡」と見えているに違いない。
しかし当の本人は期日に追われや むなく本気を出しているに過ぎない。
これがやる気というのならば 後輩等に軽々しく「やる気を出せ」とは言えない。
やる気を出すことがこんなにも過酷で辛いものならば 人に強制できるものではない。
僕はそう思う。
最近の若者はやる気が感じられないとかどうでもいい。
それでいいじゃないか。
自分が辛いからといって若者にも味合わせてやろうというのは老害の典型だ。
僕は若者から嫌われたくない。
僕の老後の為にも 若者には継続して働いてもらう必要がある。
だから大事なのは「やる気はほどほどで良いから継続してね」ということだ。
少子化で僕らの年代は年金が少ないやら もらえないやらと不吉な事が昔からまことしやかに囁かれている。
そのひとつのブレーキとして若者には やる気よりも継続力を磨いて欲しい。
そう思うおじさんです。
やる気に満ち溢れているを悪いとは言わない。
でもそれはずっと続けられるものではない。
おじさんが言うんだから間違いない。
やる気が高い程、落ちた時のダメージは大きい。
立ち直れないかもしれない。
ならば。
そもそも高くのぼらないことだ。
低空でもいいから飛び続けることの方が重要だ。
え?
継続するにもやる気は必要だろうって?
チッチッチ。
そんな事はない。
あなたはスマホを見たりテレビを見たり歯を磨いたりすることにいちいちやる気を出してはいないだろう。
僕はnoteに毎日ステキなエッセイを投稿しているがやる気があるからではない。
完全に習慣化されているのだ。
呼吸をするように記事の事を考え 気が付けば入力しいつの間にかエッセイが完成している。(誇張あり)
それぐらいのレベルで仕事をこなせばいいのだ。
超低空飛行でも構わない。
墜落しなければいいのだ。
のほほんといこう。
ふふふ。
こうして若者のやる気を根こそぎ奪い取り おじさん帝国建国の礎とするのだ。
若者は慎ましやかに働き おじさん帝国のおじさん達は偉そうにふんぞりかえる。
さぁおじさんの為に働くのだ。
おじさん帝国バンザーイ。
このエッセイを見ている若者よ。
心配するな おじさん帝国にいいように操られると危機感を持つことはない。
別に悪の組織ではない。
安心して そのまま低空飛行を続けなさい。
なぜって?
君もすぐにおじさん帝国に入ることになるからさ。
時間は残酷。
どうせ遅かれ早かれ みんなおじさんになるんだ。
だから。
若いうちはそのやる気を仕事ではなく 自分の為に使いなさい。
そしておじさん帝国に来た際に僕の為に その経験を活かしなさい。
ふっふっふっふ。
後にこのエッセイが おじさん帝国建国のきっかけになるとは この時、誰も想像もしていなかったのである。
続く。
いや続かないよ。
今日のエッセイはここまで。
ではまた。
次回予告(ウソ)
「おじさん帝国 おばさん帝国に蹂躙され吸収される」
の巻き。