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門司港レトロ(旅エッセイ)

10月になり、秋晴れが続いた日に、念願の北九州市の門司港レトロを見に、新幹線に乗り、出かけた。 小倉駅に着くと、駅前のベンチに銀河鉄道999のメーテルと鉄郎が、待っていた。
「ようこそ、北九州へ。良く来たわね。」(メーテル)
「海の景色が気持ちいいよ。楽しんでね❗」(鉄郎) と、台詞が聞こえるような、メーテルと鉄郎の像があった。 最後に、キャプテンハーロックのカッコいい立像があり、「良き旅を。」と見送られた。

まず、小倉駅前にある、〈北九州市漫画ミュージアム〉に入った。
最初に、リアルな等身大のキャプテンハーロックが迎えてくれた。
アニメファンは、感動ものである。 北九州出身の漫画家さんの多さに驚いた。(松本霊士さんもその一人) 展示は、漫画の作成方法が詳しく解説されていた。

初日は、すぐに駅前のホテルにチェックインして、小倉駅前で、
本場の博多ラーメンとチャーハンを食べた。とんこつ味だが、あっさりして、極細麺で、チャーハン共に、とても美味しかった❗。
関西で食べるとんこつ味とは、ちがう?感じで、ダシが鶏ガラ、玉ねぎ、人参などから取っているそうで、柔らかい味だった。

海のそばのホテルに泊まり、
窓から、船を見ながら、寝た。

次の日は、ホテルの朝食がビュッフェなので、朝から好きなものを
取って食べた。ビジネスホテルなので、豪華なメニューはないが、
いわゆる(お母さんが作るような)
お惣菜メニューや、炊き立ての白米、みそ汁、サラダ、だし巻き玉子、パン、コーヒー、ジュース等もおかわり自由で、楽しんで食した。 実は、(一人旅に)緊張していて、良く眠れなかったが、いつも飲まない、ホットコーヒーを食後に飲んで、元気が出た。

10時にチェックアウトして、
小倉駅から、電車で15分の門司港駅に着いた。(JR鹿児島本線)
やっと、来た❗️。
〈門司港駅〉は、大正3年に建てられ、駅舎として初の、重要文化財である。ネオ・ルネサンス様式で、柱やドアが木造で、駅舎は広くて、吹き抜けで天井が高く、おしゃれ❗だった。 明治・大正時代にタイムスリップしたような気分になった。

まず、近くの〈三井倶楽部〉に入った。1921年に建てられ、ここも重要文化財であり、アインシュタイン博士も宿泊した施設である。
大正時代の、アール・デコ調の家具、ヨーロッパ様式で、ステキ❗だった。アインシュタイン博士の直筆のサインや当時の写真の展示もあり、感動した。
因みに、作家の林 芙美子さんの展示室もかなり、詳しく、
写真や直筆の手紙も多く、飾られていた。(尾道と、似ている)

次に、隣の建てものである、
〈旧大阪商船〉に入った。大正6年建築で、八角形の塔とオレンジ色のレンガ(タイル)がステキだった。中は、主に北九州市出身の、
イラストレーター・わたせせいぞうさんのギャラリーがあり、
カラフルでおしゃれな絵をたくさん見ることが、できた。因みに、わたせさんの、仕事場の再現の、展示もあり、若い頃、北九州市の海のそばで育った、わたせさんの、解説を読んで、あの爽やかな風を感じる絵(イラスト)は、この門司港の海と風をいつも、体感していたからだと、納得した。

次に、全長108メートルの、青い跳ね橋に向かった。通称〈ブルーウイング〉で、1日6回、はね上がる可動橋で、歩行できる跳ね橋として、日本最大級である。
平日で、観光客も少なかったので、木の橋をゆっくり歩いて渡ることができた。すぐそばに、関門橋も見える、絶好のロケーション❗である。快晴で、雲一つ無く、
最高❗の気分になった。

橋を渡り終えると、〈旧門司税関〉の建て物に入った。明治45年建築で、赤いレンガ造りで、中は高くて、広い吹き抜けの天井で、風が通り抜けて、気持ち良く、床は焦げ茶の板張りだった。 昔の税関の歴史の、詳しい展示があり、良く分かった。
戦前は、門司港で貿易が盛んだったことが、偲ばれた。

昼過ぎになり、ブルーウイングが見える、近くの店で、名物の
〈門司港の焼きカレー〉を食べた。 カレーにチーズと卵を入れて、オーブンで焼いたものである。店が何軒もあり、いろんな焼きカレーがあると聞いたが、
私が入った店は、シンプルな焼きカレーだった。先に会計を済ませ、セルフサービスの店だったが、熱々出来立ての、焼きカレーは、優しく、余り辛くなく、あっさりした味で、歩いて疲れた体に染み込むように、美味しかった❗。カレーの表面を食べると、卵がトロっと出てきて、チーズがカレーに溶けて、最高だった。ミニサラダとプチデザートもついて、良かった。
やはり、平日だからか、店も空いてて、窓から海と橋が見えた。

店を出て、ブルーウイングの橋が
上がる場面を、ずっと鑑賞していた。当日は、私以外の、観光客も皆、見ていた。閉じた橋が真ん中で開き、片橋ずつ、少しずつ、上がっていくのである。
その間、約20分。
さいごは、両橋とも、75度くらいまで上り、そこでしばらく止まるのである。 開橋は、1日6回で時間も決まっているので、見たい人は、時間確認が必要である。

私は、明石海峡大橋も前に行ったことがあるが、どうやら、海に架かる橋が好き❗なようだと、
今回の旅で気づいた。
「橋」は、海と岸をつなぐ、人間が作った建築物だが、自然と人口のものの、両方の良さを感じるからかなあと、思った。 あとは、船に乗らなくても、海を身近に感じられるから。

ブルーウイングを渡り、門司港の端にある、〈関門海峡ミュージアム〉へ行った。 大スクリーンの海峡アトリウムの、映像が迫力❗だった。関門海峡の多くの魚、深海の様子が3Dで、音と立体感とリアルさがすごかった❗。体験型ミュージアムで、映像を見て、クイズに答えたりする。あとは、リアルな人形で、平家滅亡の歴史と、門司港付近の歴史(シーボルトなど)が表現されていた。船の、精巧な模型の展示もいくつかあり、とても良かった。また、ゆっくり見たいと思った。

最後に、マリンゲートもじから、
〈関門連絡船〉に乗り、唐戸(下関)に渡った。約5分(片道)の短い時間だが、船のデッキに立ち、北九州の海を満喫できた。すでに、昼の
3時を過ぎて、日も落ちてきて、
(関西よりも)海が青く見えて、連絡船は、軽くゆれて、速く、波しぶきも気持ち良かった。
海からの風が、心地良かった。

ミュージアムなどで、絵はがきや、門司港グッズを購入して、
帰りに小倉駅で筑紫もちと、明太子せんべいを買って、帰路に着いた。 無事に、新大阪駅に着いた時は、ホッとしたが、あまりの
駅の人の多さに驚いた。
(門司港では、ほとんど外人客は、
いなかった)

これからも、多くの人が旅をすると思う。 一人で、友人と、家族と。 今回は一人旅で、観光案内のスタッフさんや駅員さんに、いろいろ尋ねる場面があった。親切に対応して頂き、感謝している。

皆さんも、
「ボン・ボヤージュ❗」
(良き旅を。)


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