【医師コラム】6歳未満のトランポリンは危険アメリカでは1年間で7000件がトランポリンによる負傷で救急医療
高くジャンプすることができ、楽しいレクリエーション体験をすることができるトランポリン。子どもたちにも人気があります。近年人気が高まっていてレジャー施設でもトランポリンを置く場所が増えており、多くの人に親しまれています。しかし、小さな子どもがトランポリンで遊ぶことには危険も潜んでいます。
例えばアメリカの整形外科学会は2017年に保護者に対して、「6歳未満の子どもは危険なのでトランポリンで遊ばせないように」と警告しています。
フランス小児科学会でのある報告では2016年6月から10月の間にある病院の外傷学救急サービスに入院した2歳から15歳の子ども1106人うち107人がトランポリン事故でした。
そしてアメリカの小児科学会は2016年を始め、これまでに複数回、家庭用トランポリンの設置自体をやめるように提案しています。とにかく指導者のいない状態でのトランポリンはかなり危険性が高いといえるようです。
これは、子どもでは頭の重さは体重の約 30%(大人は 6%)であるがゆえに簡単にバランスを崩して頭から転倒してしまう可能性が高いからです。トランポリンによる外傷の約半数が足首のねん挫などの下肢の外傷ですが、頭や首のけがも10~17%起きており、神経障害や重い後遺症を伴うケースも多いということです。これはスウェーデンでの先行研究でも報告されています。
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