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本屋さんに初もうで

元日の朝4:30くらいに、うちの猫が枕元から60cmくらい高さの所から私の胸の上にボスッ!と飛び降りてきて、痛いし、肺から空気が一気に抜けてびっくりして目が覚めました。なぜそのようなことが起きたのかといえば、大晦日にかけて寝室のレイアウトが色々変わり、枕元が断崖絶壁みたいになってしまったから。

翌朝もボスッ!で目が覚めました。
なぜか猫は夫ではなく私をターゲットにしてきます。

毎朝これじゃあ困ったなぁと思いながらの新年の幕開けでした。


つらつら書きましたがそれはさておき。

私はもう長いこと初もうでには行っていません。

子供の頃は大宮(さいたま市)にある武蔵一宮 氷川神社に毎年初もうでのお参りをしていました。氷川神社はそれこそお宮参りや七五三でもお世話になっていた神社。ですがお正月は混雑がすさまじく、徐々に足が遠のきました。

また話が飛びますが、もう何年も本はAmazonで買うのがデフォルトになっています。でもたまに出かけた先などで書店に足を運ぶこともあり、そうするとAmazonでは探し出せなかった面白そうな本に出会えます。本を選ぶときのワクワク感もオンラインとは全然違います。やっぱり書店でじっくり本を選ぶのっていいなぁとしみじみ。

しかも最近はAmazonで本を探してもいまいちピンとこず。本屋さんで本を選びたいなと思っていました。

そうだ、今年のお正月は神社じゃなくて本屋さんに初もうでに行こう!

(初もうでというか、ただ本屋に行くだけでは?)

というわけでしばらく行っていなかったジュンク堂書店池袋本店へ。
今年は1/2より営業しています。

地下1階から9階まで圧巻の品揃えです。私が好きな自然科学系の本も充実しています。動物学の面白そうな本、あとはこれまであまり足を踏み入れなかった領域の本も面白そうなものがあったら買ってみよう、そんな感じで行くことにしました。

入り口付近は話題の新刊コーナーとなっていて、いきなり面白そうな本が目に飛び込んできました。

神社への初もうでに例えると、本殿にお参りする前に参道にある屋台に吸い寄せられてりんご飴食べちゃった、みたいな感じでしょうか。

『〈動物をえがく〉人類学 人はなぜ動物にひかれるのか』山口未花子 著
岩波書店

子供の頃から動物が描かれたものが身の回りにあったという方は多いと思います。私もその1人です。そして今も動物の絵や彫刻が大好きです。
歴史を遡れば、狩猟採集時代から人間は壁画などに動物の姿を残しています。人は動物とどう接してきたのか、なぜ人はこれほどまでに動物をえがいてきたのか?正直、そんなこと疑問に思ったことなどなかったのですが、なぜ?と聞かれると答えられません。本書では、研究者とアーティストがそれぞれの立場からその疑問に迫る、という内容のようです(ざっくり)。

面白そうな本だったのでテンションが上がりすぎて、実は値段を見ていませんでした。最後のお会計の時に値段を見てびっくりしましたが、時すでに遅し。発売されたばかりだから中古もないし、正月だからまぁいいか、、、と。


ジュンク堂書店池袋本店は会計が1階にあり、すべてのフロアを買い物かごを持って行き来できるようになっています。

買い物カゴを持って目的地の自然科学系コーナーのある7階へ。

哺乳類コーナーで目を皿にして本を見ていたところ、「!!!!!」
衝撃が走りました。
IWAGO’S BOOK⑩『Kawaii ウォンバット クオッカ コアラ』 岩合光昭
Crevis

か、か、かわいい
実は本の題名もKawaiiなんです。
岩合さんがオーストラリアで撮影した、ウォンバット、クオッカ、コアラの3種(どれも有袋類)の写真集です。
手に取りページをめくると、思わず「け、けしからん!!」と叫びたくなるようなウォンバットの反則級にかわいい姿が。
「なぜ君はそんなにもかわいいのだ?」
ずんぐりむっくり、短い手足(しかも内股)、もふもふ、パーツの全てが丸い、つぶらな瞳。多くの人がかわいいと感じる要素が全身にちりばめられたウォンバット。かわいすぎて笑ってしまうので、笑いを堪えながらページをパラパラ。
ウォンバットの次はクオカードみたいな名前のクオッカ(クオッカワラビー)。クオッカもけしからんかわいさ。手が短くて心配になりますが、この手で葉っぱを持って一生懸命食べている姿はもはや泣けてきます。

最後に登場、日本でもお馴染みのコアラも問答無用の可愛さ。

こんなにかわいい彼らもオーストラリアの大地でそれぞれの生存戦略を駆使しながら強く逞しく生きています。

岩合さんは「かわいい」という言葉は野生動物に対しては使ってこなかったそう。でも、現地の人がウォンバットを見て「Kawaii」と言っているのを聞き衝撃を受け、「Kawaii」という言葉の持つ温かみが好きになったそうです。


Kawaii写真集をカゴに入れクスクス笑いながら本棚を見ていると、同じく動物学コーナーにこんな本が!
『ウォンバットのうんちはなぜ、四角いのか?ーとあるウォンバット研究者の数奇な人生』 高野光太郎 著 晶文社

ほんの少し前までウォンバットの写真を見て悶絶していたと思ったらこんな本を見つけてしまった。これは問答無用で買いですね。いそいそと買い物かごに入れました。

昆虫や鳥のコーナーも面白そうな本が並んでいます。
悩みながらうろうろ。

ちょっと離れたところにあった量子力学や複雑系などの分野のコーナーにあった本が目に止まりました。トリケラトプスのパズル?

『ペンローズの幾何学 対称性から黄金比、アインシュタイン・タイルまで』
谷岡一郎 荒木義明 著 講談社

数学の世界には「平面を隙間も重なりもなく敷き詰める図形」を探究する「平面充填」と呼ばれる分野が存在するそうです。正方形や正三角形は容易に平面に敷き詰められますが、数学者たちが扱うのはもっと複雑な平面充填。
1974年にロジャー・ペンローズ博士が「ペンローズ・タイル」と呼ばれる
平面充填形を発表しています。

ペンローズ・タイルは2種類の図形でできていますが、本書で扱うのは1種類の図形が非周期的に敷き詰められている「アインシュタイン・タイル」です。アインシュタインはドイツ語のein stein =1枚の石(タイル)に由来します。
ペンローズ博士のペンローズ・タイルの発表から50年もの間、数学者たちが探し続けてきたアインシュタイン・タイル。2023年にアインシュタイン・タイルが見つかったそうで、そのことについて書かれたのが本書です。
数学的センスのない私にこの本の内容が理解できるだろうか?という疑問が湧いてきますが、パズルを解くような感覚でお楽しみください、とのこと。楽しみながら読んでみようと思います。


このあと美術書や料理や文芸のフロアをうろうろして面白そうな本をたくさん見つけましたが、買い物カゴにはすでに4冊の本。この調子で欲しい本を心の赴くままに買っていたら破産するので、この辺でやめました。

やっぱり書店で本を選ぶのは楽しいです。
ジュンク堂のような大型書店もいいですが、個性的な小さな書店も増えているので、時間を作って足を運んでみようと思います。

最後に、「書店に初もうで」という設定なので(笑)
高いお賽銭(本の代金)を払い、最後にお願いを。

今年も面白い本にたくさん出会えますように!




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