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はしもとみおさんの彫刻を見に三島へ
はしもとみおさんの展覧会「はしもとみお展 時を刻むいきものたち」を見に、静岡県三島市にある佐野美術館に行ってきました。
今年の8月に三鷹のよもぎBOOKSで開催されていた巡回展を見に行った際に、神戸で大きな展覧会も開催されていることを知りました。次は三島とのこと。
というわけで、埼玉から鈍行で3時間かけて行ってきました(帰りは新幹線)。
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美術館最寄りの、伊豆箱根鉄道線 三島田町駅から歩いていると、猫ちゃんたちがいました。
ごはんを待っていた様子。着いていきなり猫ちゃんに会えるなんて、なんかいいぞ。
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駅から5分ほどで到着です。
大きなクマさんがお出迎え。
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ねずみちゃんとリスちゃんも一緒に。
展覧会は、はしもとさんの原点となるいきものたちとの出会いと美大時代の作品、国内や旅先で出会ったいきものたち、展覧会のテーマである「時」にちなんだ作品、今後のはしもとさん、という流れで構成されています。
いきものたちの過ごしてきた時間、そしてはしもとさんご自身のこれまでの軌跡を辿ることができます。
こちらの展覧会、一部の彫刻は触れることができます。
日本のお寺や神社には、自分の病気の部分を撫でると良くなると信じられている仏さまがいくつもありますが、はしもとさんはそういう仏さまがすごく好きだそう。触ることで癒される、という体験を見る人たちにもしてほしいとの思いがあるそうです。
そして、普段はおそらく作品と鑑賞者の間にあるであろうガラスも取り払われているところがありました。
はしもとさんは、作品から「はしもとさんのパーソナリティ」を極力排除したいという思いがあるそう。その子そのものを表現したい、だからサインも説明も書かず、ガラスケースにも入れない。
はしもとさんのそういう思いが感じられる、作品を見に行くというよりいきものたちに会いに行く、そんな展覧会でした。
こちらのドンちゃんは触れることができました。
見てください、このお顔。ドンちゃんは18年生きた子です。
こんな顔していたら、ほっぺをむにーってやりたくなります。
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初代月ちゃん。
はしもとさんが美大の学生だった時に迎えた子だそう。
毎日一緒に大学に行っていたとか!
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福岡県の相島は猫がたくさんいる「猫の島」。
相島の仲良し猫ちゃん。
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ボニー親子も相島の子達。ボニーはお父さんだそう。
寄り添う子猫がなんとも可愛らしいです。
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中に人が入っている可能性のあるチグリス。この子も相島の子。
チグリスというからにはユーフラテスもいます。
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はしもとさんは美大生の頃から「朝練」として毎朝作品を作ってきたそう。
できるだけ毎日、30分と時間を決めて、気分が乗らなくてもいつもとちょっとモチーフを変えたりして、楽しみながら、スピードを意識して必ず完成させるのがコツだとか。
朝練で描いた月ちゃん。
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こちらも朝練のスケッチです。
犬の他にも猫、猿、コアラ、海のいきもの、みんな表情豊か。
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この朝練も今のはしもとさんに繋がっているんだなぁ。
毎日30分の朝練、私も何かやってみたいなぁと思いました(続くか?!)
子山羊のチョコちゃん。抱きしめたいかわいらしさ。今にも動き出しそう。かわいく歩く姿が想像できます。
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みたいな話で盛り上がったことがありました笑
私がすごく気に入った作品です。
ネコがラクダに乗っています。ネコとラクダの表情(いい表情してます)、ラクダの質感、ラクダの足。楽しくて何度も何度も見に行きました。
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表情が気に入ったヴェルちゃん。いずれは猫はもちろん、こういう子とも一緒に暮らしたいな。
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はしもとさんの彫刻は、触れると分かるのですが、全体から木の温もりが伝わってきて、生きものの柔らかさを感じることができます。
この子、よくこんな格好してるんだろうなぁとか、こんな顔するんだろうなぁと想像できて、きっとはしもとさんはものすごい観察をして彫っているんだろうなと思います。
彫り進めていると、その子が現れる瞬間があるそうで、そこでノミを止めるそうです。はしもとさんはその瞬間、「これ以上彫ると血が噴き出る」と思うんだとか。
はしもとさんは海のいきものたちも彫ります。
鳥羽水族館のジュゴン、セレナと海のいきものたち。
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下には色とりどりのウミウシの行列が。
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ジュゴンの絵も素敵でした。
額は波をモチーフにしているのでしょうか。
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チンパンジーのマックス親子。赤ちゃんの表情が可愛くて。
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ここからは私の趣味で、かわいいお尻コレクションです。
うちの猫のお尻が可愛いので、この展覧会でもついお尻に目がいってしまったのです。
まるで変態のように、熱心に嬉しそうにお尻を撮っていたので、側から見ると気持ち悪かったかもしれません。
まずは先ほども登場したチョコちゃんのおしり。
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初代月ちゃんのおしり
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猫の小鉄のおしり。おしりふりふりしながら歩く姿が想像できます。
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相島にいるシナモンのおしり
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以上、お尻コレクションでした(実はもっと撮りました)。
展覧会のテーマでもある「時」
時を経て語り継がれる物語から着想を得たレリーフも素敵でした。
《月とうさぎ》
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レリーフは平面に近いものを立体的に表現するため、高度な技術が必要とされるそうです。
《オオカミ》
前にはミニサイズの犬たちがたくさん!
1頭1頭個性豊かです。
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他にも素敵なレリーフが何枚もありました。
面白かったのがこのチェス。
ネコ、ワオキツネザル、タコ🐙、シマウマ、ライオン。
こんなチェスがあったらチェスに興味のない私でもやってみたくなります。
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最後にいたのが秋田犬の《わさお》。
もふもふのいい顔してます。写真で見るとパンみたいだなと思っていた耳も、彫刻でも美味しそうなパンみたいに見えました。
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ミュージアムショップでは図録を含め、本を3冊も買ってしまい(買わずにいられただろうか、いや、いられはしまい)、散財。
展覧会では原画も展示されていて、それを見ていたら涙が出そうになった絵本『おもいででいっぱいになったら』も買いました。
家に帰って読んだら涙涙。
はしもとみおさんの展覧会、本当に行ってよかったです。
彫刻も大好きなのですが、はしもとさんご本人もすごく魅力的な方で、もっと他の作品も見てみたい!また展覧会が開催されるなら少しくらい遠くても是非見に行きたいと思いました。
パーソナリティを極力排除したい、自分は自然を受け取る器になりたい、という言葉がすごく印象に残りました。芸術というと、いかにその人らしさを表現するか、ということが重要視されると思いますが、はしもとさんはその正反対をゆく人。今自分が彫っている目の前のものに対して、自分の作品というよりも、いきもの、命として向き合う、だからこそその子が現れた瞬間にノミを止めることができるのではないかと思いました。
そしてはしもとさんは、一旦彫り始めたら絶対に諦めないそう。いきもの、命として向き合うのだから、途中でやめることは考えられないと語っていました。
はしもとみおさんの展覧会、お近くの方もちょっと遠い方も是非行ってみてください!
はしもとみおさんの素敵なホームページです⇩
ここからは三島の街歩きです。
富士山からも近い三島市。
美術館の近くには、富士山の伏流水が流れる源兵衛川があります。
びっくりするくらい水が澄んでいました。川には歩道が設置されていて、歩くことができます。
ランチで予約したお店が川沿いにあったので、川の道を歩いていくことにしました。
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今年は水量が多いそうで、流れも早く、ちょっと怖かったです(^^;;
前から人が来ませんように、落ちたら悲惨だなぁ、近くにユニクロあるかなぁとか考えていました笑。
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dilettante cafe (好事家のカフェ)
味も雰囲気も抜群の、素敵なお店でした。
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実はランチの後もう一度美術館に戻り、彫刻を見ました。
その時の分も含め、上にまとめています。
美術館の近くにある三島梅花藻の里。
ここの澄んだ冷たい水で三島梅花藻を育てているそう。可愛らしい小さな白い花が咲いていました。
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帰りはさすがに疲れてしまい、新幹線に乗り込んだのでした。
三島駅の新幹線のホームから見えた富士山です。
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余談ですが、私のように東京方面からSuicaで乗車してきた場合、三島駅の自動改札機でひっかかってしまいました(駅員さんが対応してくれました)。熱海駅を境に管轄が変わるようで、熱海より東はJR東日本のSuicaエリア、熱海から名古屋方面はJR東海のTOICAエリアだそうです。三島は熱海よりも名古屋寄りなので、JR東海エリアなのです。
私は気づかなかったのですが、三島駅にもSuicaに対応した精算機があるようです。ちなみに美術館でもSuicaは使えました。
東京方面から三島に向かう方はご注意を!