自己に関する2つの概念とリハビリテーション

哲学者のショーン・ギャラガー(Shaun Gallagher)による自己

・Narrative self
  継続的自己 社会的、個別的な身体
  過去によって構成される、多かれ少なかれ一貫した自己 (または自己イメージ)そして、私たちや他の人が私たち自身について語るさまざまな物語の中にある未来。

・Minimal self
  一時的自己 今ここにいる自分、普遍的な身体
  人がそれをどのように経験するかという点で、時間の延長を受けない直接の経験の主体としての自分自身の意識。 ミニマルな自己はほぼ確実に脳のプロセスと生態学的に埋め込まれた身体に依存している。

さらに、Minimal self:一時的自己として2つの感覚を挙げている。

・Sense of agency:運動や行為の主体感
  自分が行動を引き起こしている、または生み出しているという感覚。
 たとえば、何かを動かしているのは自分だという感覚、あるいは、自分が何かを動かしているという感覚。
・Sense of ownership:身体の所有感
  たとえば、動きが自発的であるか不随意であるかに関係なく、自分の体が動いているという感覚。

身体の所有感と運動や行為主体感、これらが自己意識を形成しているとするならば

リハビリテーションおいて考えると、理学療法の場面では歩行練習の場合。

歩く場所、方法、距離、タイミング、過介助などセラピストのみの主導では主体感は感じられないのではないか。

セラピストがリスク管理のために判断や方法を考えなければならないことはあるはずだ。

その上で身体・行為主体性の視点を考えると

クライアントの意志決定できる過程を踏むことが大切になってくるのではないか。

こっちの方向に、これくらいの距離を歩いてみたいや開始のタイミングなど

クライアントの意志決定を促し、運動の結果を一致させるような誘導や声掛けがセラピーに必要になってくるだろう。

自分の身体であると感じられるような、経験を積むため方法、対応の仕方をセラピストは考えることも大事になってくるのだろう。


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