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Qnote No.2

仁平典宏『「ボランティア」の誕生と終焉〈贈与のパラドックス〉の知識社会学』を読んで


書き手︰Mean Q

Q.どんな方に本書を推薦したいですか?

ボランティアに関心がありつつも、「そう言えば、無償で働くとは社会的にどういった意味を持つのだろう?」と、漠然とでも疑問を感じていた方に推薦したいです。読み進める難易度は低くないですが、読了し、本書をご自身なりに解釈することで、前述の問にもご自身なりの回答を導けると思われます。

Q.本書の魅力を教えてください!

ボランティアがあらゆる人々にとって、無条件で喜びのような前向きなものを与えるとは限らないことにハッと気づかせてくれる力を持つ一冊だと思います。ボランティアという行為を「贈与」という概念にもとづいて分析するからこそ生じる力でしょう。普段、何かプレゼントをする際にも用いる「贈与」という言葉に、「ボランティア」という語を意外な形で調理する切れ味を見いだせました。また、ボランティアという切り口で、現代日本に生きる私たちが半ば自明と考えていることも相対化できる機会をもたらしてくれるかもしれません。


文献

仁平典宏,2011,『「ボランティア」の誕生と終焉〈贈与のパラドックス〉の知識社会学』名古屋大学出版会

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