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DIABOLOS

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津久井山百合事件、植松聖事件をモチーフに描いた大作ミステリー・サスペンス小説! 安楽死問題、日本の福祉の問題、重複障害者の社会における必要意義と生命と倫理の問題、などを鋭い切り口…
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#ミステリー小説

DIABOLOS 第1話

“あなた方は一度でも介護に携わったことがあるか?少しでも現場を知れば、介護は綺麗事だけでは無いことがわかるはずだ”

 溝呂木聖也の遺した言葉は社会に波紋を広げ、世論を大きく揺るがせることとなった。

“あなた方はなぜ、施設に足を運んだことすら無いのに、理想論をさも正論のように述べることができるのか?”

 この一連の出来事が契機となって介護現場の現状や、それに携わる人間達についての理解が大きく広

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DIABOLOS 第2話

 柘植基博警部は今日もデスクで眼を醒ます。彼は今日も警察署泊まりだ。このところ仕事漬けでろくに家に帰っていないうえ、風呂にもろくに入っていない。昨夜の睡眠だって3時間程度だ。柘植警部は今日もシケモクを咥えながら頭をポリポリと掻く。机の上には、山積みにされた書類とコーヒーの匂いが充満している。
「おはようございまーす! 警部!」
 静寂を破る明るい声……
「おはよさん、蝶野くん。今日も朝からキビキビ

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DIABOLOS 第3話

 そこは警察署の一角にある薄暗い空間だ。そこは狭く、そして薄暗い。窓はなく蛍光灯が一つしか点けられてなかった。天井の隅っこにある換気口から微かに黴臭い冷気と、小さな虫が這う音がしているだけで、そこは陰に覆われていた。この室内では外界の景色は全く見えないため時さえ止まっているように感じるし、時間も流れていないかのように錯覚する。それは時間の経過を感じさせない異質な空間であることは明らかであった……

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