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私が惹かれる作家。沖田×華さんの「蜃気楼家族」を読破【 電本フェス2022冬読書】
本日は私が惹かれる作家のお話です。
沖田×華さんという方で、ペンネームは「起きたばっかり」からきているようです。ドラマ化されている作品をきっかけで知り、その後色々な作品を読むようになりました。
シンプルな絵なのに表情の描き方が上手く、心に刺さるセリフもたくさんあるんですよね。今回、まだ読んでいなかった「蜃気楼家族」(全6巻)を大人買いしたので、語っていこうと思います!
ストーリーは、作者が幼少期の頃の家族との日々を描いています。
実家は中華料理店を営んでいて、1巻は作者の小学生時代です。
読んでみると、父は亭主関白で「これは俺が稼いだもので買ったTVだ」「欲しかったら自分の金で買え」など、ひと昔前はよくあるようなセリフが飛び交っていました。
私も何度も言われたことがあるので、父親ってそんなセリフ言うよね…と共感。笑
そして子どもを怒る時は出前の箱で殴る…。笑
こんな内容ですが母と喧嘩する時、物は投げるが絶対相手に当てない(壊れ物は投げない)などの暗黙のルールがあり、どこか憎めない感もある。そんな家族との日々を、自分の成長とともに感じた内容を赤裸々に描いています。
ストーリーを読み進めていくと、母が父と喧嘩して一週間帰ってこなかった、父が用意する晩ご飯は閉店後11時に客の食べ残しを出す(自分の分は作る)など、驚くような内容もたくさん出てきます。
神経質な弟はそういった状況になる度に嘔吐していた、と面白おかしく描かれているので、一見ギャグ漫画の感覚で読んでしまうのですが…。
よく考えると、「これ、子どもに何らかの影響が出てくるのでは…?」と心のどこかで思っていました。
そして巻を読み進めると予感は的中。
弟は万引きをするようになったり、成長してグレてしまい、手がつけられなくなってしまうんですよね。
そこから家族がバラバラになったり、父が蒸発したりと、もう修復不可能では…というような状況になっていきます。
そして最後、私にとって意外な結末で感動。今まで頑張ってきてよかったねと…涙しました。
色んな「家族」というかたちがあるということを改めて知り、共感や驚きがたくさんあった作品でしたね。
この作品は、読む人によって色んな感じ方ができると思いました。
単純にギャグ漫画として読むのもよし、沖田さんが漫画家になるまでの背景を楽しむのもよし。
私には幼い子どもが2人いるので、将来こんな状況になったらどう対応したらいいだろう…と考えさせられることもたくさんありました。
しかしこの破天荒な家族との経験が、沖田さんのキャラを確立させたかと思うと少し納得です。ポジティブで、感受性豊かで素直。自分を包み隠さず語る沖田さんに憧れる部分も多く、ますますファンになりました。
気になった方はぜひ一度、読んでみてくださいね!