Gianluigi Colinの「Post Scriptum」を鑑賞する
ある日の会社帰り、高級ブティックが立ち並ぶ一角(東京で言う銀座の並木通り的な場所)にひっそりと佇むギャラリーを訪れた。目的は始まったばかりの
Gianluigi Colinの「Post Scriptum」の鑑賞だ。
展示作品よりもまず気になったのが、なぜ「印刷所で輪転印刷機を清掃する際に使用する生地を使う」という発想が生まれたか、ということだ。つまり、日常生活で私たちが輪転印刷機など見る機会はまずないので、その清掃用具がどのようなものか、など考えも及ばない。そのため、まずは彼のプロフィールを見てみることにした。
読んで深く納得し、うんうんとうなずいてしまった。新聞社で長年アートディレクターをしていたなら、印刷機も日々見るだろう、と。
ちなみに"Corriere della Sera"は、ミラノの伝統ある新聞社である。また彼がカバーエディターをしているという"La Lettura"もこの新聞社の刊行物だ。Corriere della Seraは、日本でいうところの、北海道新聞(道産子ゆえ、常に道新をひいき目に見ている…笑)や東京新聞のような立ち位置、と考えていただければよいと思う。その見学の模様を以前Noteに載せたので、下にリンクを貼っておこう。宜しければ併せて読んでいただきたいと思う。
私は仕事の一環で、様々な種類の生地、柄を目にするので、表向きには柄・色の見地からこの展示に興味を抱いたのだが、内容を知ると、その背景にあるものの方がもっとずっと興味深いことがわかった。
それではその白熱した気分で、作品の大部分を紹介しよう。
まずは地上階から。
次に、個人的に一番なじみ深い2階へ移ろう。
そして、タイトルもまた時々くすっと笑えるので(Colin氏が校了に間に合うか間に合わないかの殺気立っていた様子を思い出し、シュールなタイトルを付けたのでは、と想像する)作品と見比べていただければと思う。
最後に1階へ移ろう。
個人的には、モダンな浴衣や羽織の柄にもよさそうな気がする。
個人的にはなかなか興味深い作品たちだったと思う。
ここのギャラリーは割と展示の回転頻度が高いので、次の展示も楽しみにしよう。