Enter the blue spring(小説)#2

未来世界
未来「はあー、やっぱ俺に、人の感情の機微は分からねえわ。」
4019年の未来の、高等教育学校、雷恫 未来は項垂れていたあー何かややこシ
音邪「ん?確かあれは結構重要なやつじゃなかったか?」
未来「そうだよ、もう終わったよ。恋愛ごときで成績が死ぬよ!!」
音邪「あ、何か調べたら2000年前にも政府が恋愛教育しようとしたらしいぜ(笑)」
未来「何か小学校の頃習ったな~、歴史は繰り返されるって。」
音邪「でも古代は良いよな~。実力さえあれば成績安定なんだから。俺たちなんかわざわざ分かりもしない青春のお勉強だぜ?」
快人「えー、そんな難しくないと思うけどなー。」
音邪と未来が話をしていると快人が話に入ってきた。
未来「うわ出たよ無自覚にモテる奴。」
音邪「○ね。」
快人「冷たすぎない!?でもまあ、この世界は皆情が薄いしね。分からなかったら教えてあげるよ。」
音邪「誰がお前なんかに教わるか。」
音邪は吐き捨てると自分の席に戻っていった。
快人「あーあ怒らせちゃった。あいつ人に手伝ってもらったりするの、嫌いなんだよな(笑)」
快人は苦笑する。幼い頃から音邪は自分に嫉妬しており、それが原因で自分とは逆に音邪は利己的になり、あまり人に心を開かなくなったのだから、もしかしたら自分のせいなのかもしれない。
未来「ぜってえ助けてもらった方が得なのになー。変わった奴だぜ。」
キーン!
未来「お、もうそんな時間か。」
快人「現代はチャイムが短いね。じゃあまた。」
未来「おう。」
先生「それでは授業を始めます。えー早速だが、先程の授業を古代で実践しよう。」
未来「は!?恋愛を?無理無理無理!不器用すぎて無理!」
先生「知ってるぞ未来。お前はできないと思ってた。」
未来「おい!」
先生「えーそんな皆さんのために、運営がマスターゲットレイダーをアンロックしてくださった。自由に使って良いぞ。」
未来「あー、それは確かに、便利っちゃ便利か。」
先生「そういうわけだ。それじゃあ皆準備してくれ。古代の世界へログインだ。」
未来「うわー、面倒くせえ。いくらNPCといえど、誰と恋愛しろって言うんだよ。本当意味分からねえ現代の学校。」
ログイン!
未来は愚痴を溢しながら渋々ログインした。

2次元世界
未来「家の前にリスポーンか。今は午前7時、そろそろ朝練に行かねえとな。」
NPC U「未来くーん!」
未来「ん?あーあかりちゃん!」
この子は俺と仲良くしてくれてるクラスメートのあかりちゃん。運がよかった、こんな良い子を付き合わせるのは悪いけど、チャンスは今しかない。
未来「あかりちゃん、あのさ」
???「ガーグー!」
未来「へ?」
前言撤回、俺は運が悪い。あかりちゃんは横から出てきたレイドモンスターに拐われた。
NPC U「きゃーー!」
未来「あかりちゃん!くそ、めっちゃタイミング悪ぃ!」
レイドモンスターの出現は未来でも予測不可だ。
モンスター「ギャーン!」
未来「待てー!」
モンスターはあかりを加えたまま飛んでいく。
そして近くの公園まで飛ぶと、あかりを放した。
モンスター「貴様……あいつだ、あいつと同じ匂いがする…」
未来「はあ?誰だよあいつって。てか、あかりちゃん返せよ!」
モンスター「とぼけるな!力ずくでもあいつの居場所を教えてもらうぞ!」
未来「だから何の話だよ!?まあいいさ、さっさとお前を倒せば良い話だしな。」
未来はマスターゲットレイダーを起動し、ポケットからカードデッキを取り出した。
そしてカードデッキをマスターゲットレイダーの中に入れる。

『火山竜レイダー、ログイン!』

未来「インストール!」
未来はマスターゲットレイダーの上部のボタンを押す。
すると未来の顔くらいの大きさのドローンが、未来の周りを八の字に回り、未来の顔に装着された。それと同時に武装と装甲も装着され、変身が完了。

『ローディングレイドシステム…レイダー!』

未来「シャ、行くぞ!」
モンスター「久しぶりに、血が騒ぐ!」
秘技 超水圧縮!
モンスターは水をとてつもない早さで吐き出した。
それに対し、未来は拡張武装の電蛇タイヤーを取り出す。この武器にはとある機能がある。
それはーー

バイクモード!
未来「あーらよっと。」
未来はバイクに似た姿になった。
電蛇タイヤーはタイヤ型の武器だが、実は普通にタイヤとしても使える。両手で持って地面に擦り付けることで、電蛇タイヤーは自動で回転、火山竜レイダーはバイクのような状態になる。これが火山竜レイダー唯一無二の能力、バイクモードだ。
未来「どうだ、当たらねえぞー!」
モンスター「逃がさん…!」
秘技 目眩まし!
(尻尾で土を湿らせて相手にかける)
未来「おわ!?前が見えねえ!お前それ秘技じゃなくてただの物理攻撃だろ!」
モンスター「ごちゃごちゃと喚くでない!」
秘技 先行突撃!
未来「あいだ!」
未来は突進をくらい横転した。
未来「お前…こうなったらゴリ押しだ!」
レイダーon、回復
未来のHPが回復した。
未来「からのドラグキャノン!」
未来は拡張武装からビームを放つ。
モンスター「ぐ…まだまだ戦e」
未来「そして噴石!」
未来はさらに噴石を飛ばしてひたすら相手を押しきる。
モンスター「秘技 火炎ほ…グフ…火炎グハ!…ちょ、痛い、痛いってば、やめグフ…」
ひたすら噴石を放つことで相手の攻撃を封じるという害悪戦法で、未来は徐々にモンスターを圧倒していく。
未来「よし、そろそろ止めだ。召喚!」
火山竜「アーギュギュオン!」
モンスター「…!やはりおったか火山竜!」
未来「え、何、知り合い?」
モンスター「我はこやつを倒すためにこの世界に来た。ようやく見つけたぞ、火山竜!」
火山竜「アーギュギュオン(こっちの台詞だ!)」
未来「知らねえだって。」
モンスター「嘘の翻訳をするな!?」
未来「いけ!火山竜!」
火山竜「アーギュギュオン!」
火山竜は噴石や翼の代わりの蛇を振り回し、モンスターは超水圧縮を使って戦う。
未来「そして相手の体力を消耗させてからの」
必殺技
未来「戻れ!火山竜!」
火山竜「バーン!」
火山竜ビクトリー!
無情にもマスターゲットレイダーによってカードが切られ、必殺技が発動する。
モンスター「馬鹿な…海の化身である我が…」
未来「終わりだー!」
モンスター「オーギュアーンーー!」
モンスターは胴体を貫かれて死亡した。
未来「ふう…ようやく倒せた。あ、そうだ。あかりちゃん確認しないと。」
未来はあかりがいた方を振り向くと、気絶していたはずのあかりが呆然とこちらを見ていた。
未来「あかりちゃん!怪我とかない?もう立って大丈夫」
NPC U「好き……」
未来「なの…え?」
NPC U「好きーーーーー!」
未来「ええ!?」
NPC U「いや前々からかっこいいとか優しいとか付き合いたいとか抱き締めて欲しいとか思ってたけどまさかヒーロー属性まで持ってるなんて!」
未来「あ、そこが重要ポイントなの!?」
NPC U「もう我慢できません!好きです、結婚してください!」
未来「え?結婚?ああ、うん、結婚はまあ、将来考えるとして、取り敢えず付き合うとこから始めよっか。」
NPC U「あ、それもそうね!じゃあ付き合ってください!」
未来「あ、うん、えっと、えーっと、ああそうだった!こちらこそ、よろしくお願いします!」
NPC U「やったー!これで私たち、付き合ったってことになるのねー!」
未来「ああ、うん。多分そうだったはず。あ、そうだ、今度デートしに行こっか!二人で行き先決めてさ!」
NPC U「そうね!私たち、付き合ってるんですものね!キャーーー!」
こうして未来の恋愛は、無事に成立した。
未来(モンスター狩っただけなのに…やっぱ恋愛ってよく分かんねえな。)

ゲームルール
レイドモンスターは、ゲームのMAPを彷徨っている。遭遇した場合は倒すか、モンスターをカードデッキにするレイドをしよう。

次回予告
零斗「次回は俺の回か。どうやら集結編は俺たちのキャラを掘り下げる話らしいな。」
玲奈「あんたの意味分からないところの掘り下げなんて見たくないわよ。」
零斗「大丈夫だ。今は出だしが意味分からない物語が受けやすいんだ。その流れに乗っていけばこの作品は安タ」
玲奈「さっきからメタ発言しすぎ。世界観が壊れちゃうでしょ。」
零斗「大丈夫だ。俺たちの世界は多くの人間が生み出した作品の世界をそのまま借りてゲームをし」
玲奈「マジでそれ以上言わない方が良いわよ。」
次回 enter the blue spring 第3話 絶対零度
零斗「次回の展開は」
玲奈「そういうの要らないから、予告だけど。」


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