この週末、いやその前から、YouTubeの、捨て活動画というのを見て、自分も15年くらい前からため込んで捨てられなかったものたちを手放し始めた。30年以上前のヴァイオリンとか、15年前のギターとか、2年前のフィギュア・スケートの靴とか、ダンベルとか、色鉛筆60色セットとか、本とか。少しノウハウができてきて、今週末は初めてヤフオクの代行というのに頼んで荷物を発送した。本も、バリューブックスに2度目に送ることができた。それ以外に、ごみ袋にそのまま入れるものもたくさんあった。
PHP新書、2020年。『オープンダイアローグとは何か』と『イルカと否定神学』が面白かったので、息子の不登校への対応の参考になるかと買って読んでみた。1998年初版の本の改訂版。たぶん、この人が日本のひきこもりへの対応の第一人者なのかもしれない。全体的にわりあいに常識的な内容と感じたが、6か月ひきこもった時点で「ひきこもり」の定義に当てはまるので、そうなったらとにかく家族が専門家に相談すべしということだった。うちは7か月目なのであてはまるのでそうした方がいいらしい。 本を
保坂和志「鉄の胡蝶」『群像』2020年2月号。女性の話が多かった。少年の頃からの「年上の女性へのあこがれ」の場面の話。それを読んでいる私にはあまり関係がないという気がしたが、だからこそ興味深くもあった。
『群像』2020年1月号。「鉄の胡蝶」の連載を読もうと思って図書館から借りたらこの巻はこれだった。猫の花ちゃんの治療中にUFOを見た話~土星の衛星のひとつのタイタンの調査をしている~タイタンの知的生命体から見れば~中と外の区別のないタイタンの思念~多次元世界のタイタン~無限に枝分かれしていく宇宙~ベテルギウス号の沈没を未然に防いだ時間旅行者はベテルギウス号を作る会社の工務部長の愛人となることでそれを達成~UFOがなぜ来た~時間のはじまりと終わりは多次元宇宙にはない~麻酔体験
同じ著者の新著『イルカと否定神学――対話ごときでなぜ回復が起こるのか』について最近ちらほら見るので買って読んでいたらとても面白かったので、この本を図書館で借りて読んだ。 この本自体は10年前のもので、フィンランドで生まれた統合失調症の治療であるオープンダイアローグの解説と、この方法を開発したフィンランドのセイックラの論文3つの翻訳。薬を中心とせず、何人もの治療者側、家族、患者本人が対話することによって治療する方法。こちらもまた面白かった。著者自身は統合失調症ではなくて引きこ
また言葉の学校の講師の作品。これが新人賞受賞作。藤野可織、佐藤究に続いて、ちょっと気持ちの悪い感じの作品を書く小説家ばかりが講師になっている。この作品は藤野可織のようなくっきりはっきりしたホラーではなくて、いろいろと微妙というか、混ざっているというか。現実のままならさが書きたいのか、不思議な話が書きたいのか、どっちなんだろう。この混ざった感じがこの人の現実なんだろうか。
脳科学と人工知能の研究者で、脳に関する知見をもとに軽めのこういう本を書いている人。脳科学的には、60代は記憶力はもちろん衰えているものの、逆に気が付く力がピークに達していろいろ気になる、らしい。あと、女性はこうこで、男性はこうこう、という話もあった。 自分とは合わないなあと感じることも多く、一般化しすぎなのが気になり、まあ、話半分で読んでおけばいいんじゃないかと思った。あと、口調や言葉遣い(おせっかい焼きのちょっと年上のおばさん風)が気になって、気にしないようにするのに余
天才のトランジと、トランジを見込んだ親友で助手のピエタの、出会った高校時代から七十代までの記録。トランジは自分の遺志と無関係に殺人を引き起こしてしまう体質で、周囲がばたばたと死んでいく、という設定なのは本の惹句を読んで知っていたが、読んでみたら、想像以上に人が死んでいた。なにしろ、二人が出会った高校は、トランジのせいで担任が次々に変わり(死んだから)、二人の卒業時には全校生徒数が半分以下になってしまったのだ(死んだから)。 飛ばし飛ばし斜め読みしたが、感情をちゃんと持って
最近、悪人が主人公だったり人がバタバタ死ぬ作品をたまたま読んでいる。子どもの頃最近兵器の毒ガスを浴びて狂い、人を殺し続ける主人公と、その主人公と同性愛関係にあって、罪の意識に苦しみながらも主人公の悪事に加担してしまう神父。手塚治虫唯一の同性愛関係を描いている作品らしいけれど、手塚治虫にとっては同性愛はあくまでも主人公達の異常性を際立たせるための小道具だったのかも。それなりに面白かったけれども、無料で読める1巻でやめておいた。
PINFUさんが文字おこししてくださっていたこれに気づいて読んだ。坂口恭平の勘違い創作講座第二回ゲスト山下澄人。面白いな~でもこれたくさんあるな~と思って、読み終えてからワードカウントしたら2万8千字くらいある、これ。つまり原稿用紙70枚。その前のもあるこっちは1万8千字近く。これ無料でやってて、文字起こししたのも無料で読めるというのもすごい。すごいすごいとしか行っていないが、私が何か言うのを読むより、これを読んでみる方がいい。 坂口恭平さんは『生きのびるための事務』しか
芥川賞受賞作の「爪と目」、「しょう子さんが忘れていること」、「ちびっこ広場」。ホラーだそうだけど、気持ち悪いのはどちらかというと、どう考えていいのかよくわからないこと。ベランダで死んだ母親の死因がわからない、幼児の「わたし」がカギを締めたから死んだのか?、義母に与えられたお菓子を貪り食って太ってきた「わたし」の姿は確かにちょっと怖かったが、最後の「わたし」の行動がそんなに意外に感じられなかったのは計算通りなのか。最後の10行は意味がよくわからなかった。「しょう子さんが忘れて
この前の『週末カミング』が気に入ったのでほかの本を適当に図書館で借りた。決して悪くはないんだけど、主人公にちょっとイライラしたのと、脇役たちがこの前の作品よりも嫌いな人、というか、私にとっては魅力がない人が多かった。よく出てくる貧しいけれど自由人な中井はいいけど、たとえば主人公の友達の有子のお父さん。主人公の言うことにいちいち厳しいことを言う。それはいくらなんでも失礼なんじゃないの、と何度も思った。この人たちは本音で語り合うからこうなるのかなあ、私は家族やごく親しい友達以外
たきです。読み終えた本の話ではありませんが。 神山重彦『物語要素事典』 https://amzn.asia/d/gzsulMI 10/28に出版されて28,000円もするのにすぐにいろんな書店で品切れ、amazonでも品切れらしい。Xで流れてきて、中身を見ると楽しそうなので、一瞬、買えるうちに買おうかなと思ったけれど、もともとはネット上にあるものを本にしたものなのだと知りました。もともとのネットの事典はこちら: https://www.lib.agu.ac.jp/y
アーティストの百瀬文さんが『群像』に連載したエッセイを集めた本。「映像によって映像の構造を再考させる自己言及的な方法論を用いながら、他者とのコミュニケーションの複層性を扱う。近年は映像に映る身体の問題を扱いながら、セクシュアリティやジェンダーへの問いを深めている。」というような人。 表題になっている「なめらかな人」というのは、陰毛を永久脱毛した話。2つ目の「ママと娘」というのは、百瀬さんが一緒に(性的関係も込みで)暮らしているふたりの男性のうちのひとりとの関係を、ふたりで
とにかくずっと続いている連載小説だけれど、保坂の「小説」というのは最近はもうエッセイなのか哲学なのかすべてをひっくるめて「小説」になっていて、文体も「。」がなくなってて全部「、」になっていて延々と続く。けれども特に読みにくくはない。いや、時々「!」や「?」や「。」もある。 連載だけれども、私は最初からは読んでいない。正確に言えば、2019年からの連載されていたことに去年やっと気づいて、図書館で『群像』を借りて読み始めたけれど、1年分くらい読んで中断している。以前は、「前
小説家の保坂和志と、いぬのせなか座という出版やデザインのグループで活動している小説家やらなにやらいろいろやっている山本浩貴の対談。実はこの対談は、Zoomライブのチケットを購入していたのに、なんと配信期間を勘違いしていて見ないで終わってしまっていたのです。半分以上大江健三郎の小説の書き方の話になっていましたが、小説を書くプロセスが大切だという話。話に出てくる山本さんの本は買ってあるのですが、結構読みにくいのと、大江健三郎について書いた部分が多い本なのにも関わらず私が大江健三