一人サロン経営マニュアル 2
9割のサロンは「旗」がないから苦労する
1 あなたのサロンには「コンセプト」があるか
多くのサロンには「コンセプト」が、そもそもありません。
コンセプトとは、かみ砕いて言えば「なぜ、あなたのサロンを選ぶべきなのか?」という、お客様の疑問に答えたものです。
「あなたのサロンに行くと、私にとってどんな良いことがあるの?」
言葉にはせずとも、お客様は無意識に、こう考えています。
「どんなメリットを提示できるか?」という点は、私たちサロンにとって大切です。
・自分がどうなるのか?
・どんな体験ができるのか?
・その結果、自分の生活(未来)がどう変わるのか?
コンセプトを明確にすることで「ライバルを減らす」効果もあります。
「うちはエステサロンです!」というよりも、「うちは短期ダイエットできる痩身エステです!」といったほうが、ダイエットに興味のある方には、響きますし、ライバルも減ります。
コンセプト決定前に行う「リサーチ」の重要性
コンセプト決定の前に、「競合リサーチ」は必ず行いましょう。
あなたが経営するエリアには・・・
・どんなサロンがある?
・同業サロンは、いくつある?
・どんなメニュー展開をしている?
・どんな価格帯?
・どんな雰囲気?
・どんな強み、弱みがありそう?
・どんなお客様がターゲット?
具体的なリサーチの方法
①ネットで検索
「地名プラスあなたの業種」でネット検索してみましょう。
おそらく、数多くのサロンが出てくるはず。ちなみに「地名」は、最初は範囲を狭く。徐々に広くしていくと、より多くのサロンが見つかります。
また、「ホットペッパービューティー等のクーポンサイト」も同業のリサーチには適しています。
②街をあるく
ネット検索にヒットしないものの、繁盛しているサロンも中にはあります。
③聞き込み
実際に知人や友人に「このあたりでよい〇〇サロン知らない?」といった感じで、聞き込みしてみましょう。
④サロンに「客として」行く
リサーチの結果、「よさそう」と感じたサロンや、流行っているサロンには実際にお客として行ってみましょう。「他のサロンに行ってこそ学べること」があります。リサーチの結果をもとに、差別化を考えていくこともできますし、実際にサロンに行ってみてこれはいいなという部分は、あなたのサロンに取り入れましょう。
唯一無二である必要はない
「コンセプトを明確にしましょう!」というと、差別化を意識するあまり、「マニアックすぎるコンセプト」を考えてしまいがちです。
しかし、これでは一般客に伝わらず「結局〇〇って何なの?」という疑問しかわきません。
結果伝わらない=売れないという結果になってしまいますので十分注意しましょう。
コンセプトの具体的な作り方
おおまかに分けると
・メニューで絞る
・ターゲットで絞る
とう2種類の方法。加えて、「数字を盛り込めないか?」という視点で考えていきましょう。
①メニューで絞る
「なんらかの一押しメニューに絞って、コンセプトとして見せていく」
という方法です。
・40代からの美肌フェイシャル専門店
・美脚づくり専門エステ
・ほうれい線エステ専門店
・3きろ痩せて見える小顔カット
・自然なしあがりの縮毛矯正ならおまかせ!
・夢見心地のヘッドスパ専門店
・冷え性改善アロマリンパ
・爪にゼロダメージのパラジェル専門店
・1回で腰痛改善
といった感じです。
つまり複数あるメニューから「あえて1つ」を選び、コンセプトとして見せる。
このメニューを選ぶときは、基本的に、あなたが最も自信のあるもの。一押しメニューを掲げることができれば、理想的です。
②ターゲットで絞る
具体例を出すと
・自然派グレイカラーができる美容室
・大人のナチュラル派まつエクサロン
・50代からの美しい指先をつくるネイルサロン
・静かに過ごせる「貸し切り」美容室
・明日に間に合う小顔フェイシャル
つまりターゲットの「年齢層・悩み・要望・趣向」等に合わせて、「まさに、あなたのためのサロンですよ!」と訴求する。
③数字を盛り込む
・3キロ痩せて見える小顔カット
・5センチ背が高く見えるO脚改善
・1回で腰痛改善
・3か月でマイナス10キロが実現する痩身エステ
・1回でウエストマイナス5センチ
可能であれば数字も活用しましょう
ただし、根拠のない数字を使うのはNGです。結果的に、お客様の満足度を落とす原因になってしまいます。
数字を使うときはあくまで、根拠のある数字を使うように心がけましょう。
実際のコンセプト活用方法
サロンのコンセプトが決まったら、実際に「あらゆる媒体で」コンセプトを明確にみせていきましょう。
・ホームページ
・ブログ
・チラシ
・クーポンサイト
・SNS
など。あなたが持つ媒体で明示していくことで「ここは、こういう特徴があるサロンなんだな」「こういうメニューが得意なサロンができたんだ」というふうに、徐々に認知されていくようになります。
コンセプトは「見せる場所や季節で」変えてもいい
コンセプトというと、「一度決めたら一生もの」のようなイメージを持つ方もいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。
例えば
・クーポンサイトは脱毛
・チラシは痩身
・ホームページは全部のせ
とゆうように、使う媒体ごとに「見せるコンセプト」を使い分けて、うまくいっている方もいます。また
・秋冬はフェイシャル
・春夏は脱毛と痩身
といった感じで「季節ごとに売れやすいメニューをメインに見せる」という手法は、多くのサロンが行っている戦略です。
つまり、コンセプトは「見せる場所や、季節によって、柔軟に変更していくもの」
コンセプトの明確化によって「なぜ、あなたのサロンを選ぶべきなのか?」
「あなたのサロンに行くと、私にとってどんな良いことがあるのか?」というお客様の疑問に、事前に答えることが可能となります。
その結果「ブランディング」というあいまいなものではなく、明確な「差別化」を図ることも、可能になります。