和菓子の規格外品を使用したクラフトビールの開発に松江市(島根県)の大根島醸造所が挑戦
大根島醸造所が和菓子の規格外品を使用したクラフトビールを開発し、消費者の心をくすぐるヒット商品になっています。
開発のきっかけは、松江市の中浦食品から、規格外品のどじょう掬いまんじゅうを原料に使用する方法を相談されたことでした。同まんじゅうを原料にしたクラフトビール「どじょう掬いまんじゅうエール」は、2022年3月に発売されました。
商品名は、コロナ禍で厳しい状況に置かれている企業を応援する「YELL」とエールビールの「ALE」をかけたものです。皮のみならず、あんも砕いて原料にしたクラフトビールは、フルーティーながらスパイシーな飲み口で、ほろ酔いのどじょう掬いまんじゅうを描いたラベルもかわいらしいと好評で、発売から約10カ月で1万本超を売り上げるヒット商品になりました。
第2弾はクラフトビール「山陰どらやきHAZY」で、和菓子製造会社「丸京製菓」の規格外のどらやきと、松江市の「Lago SENTO宍道湖北」が飼育するヤギの余ったミルクを使用しています。
アサヒグループホールディングス傘下のアサヒユウアス(東京・墨田)と共同開発したもので、2022年11月に発売されました。 開発のきっかけは、処分に困った2社からの相談だったといいます。どらやきは、まんじゅうの例があったため大丈夫だと考えていたが、ヤギミルクは難しかったそうです。しかし、海外での利用例を1つだけインターネットで見つけ、それを参考に工夫した結果、「ヤギミルクのほんのりとした甘さが残りつつ、ビールの苦みと香りがしっかり感じられる味に仕上がった」と話しています。
ラベルは、どらやきの「ど」を大きく打ち出したデザインで「どらやきの中に入っているあんこのような、濃厚で甘い味わい」と表現されるクラフトビールは、飲みやすくてクセになる味わいが評判で、発売からわずか1カ月で2万本を売り上げる人気商品となりました。
大根島醸造所は、今後も和菓子の規格外品を活用したクラフトビールの開発に力を入れていくとしています。地元の和菓子メーカーや飲食店とのコラボレーションも進め、新しい味わいのクラフトビールを提供していく予定です。