統計検定準1級ワークブックの解説(第8章の本文例題,章末問題)

統計検定準1級ワークブックのマガジン


自己紹介

 QC検定1級, 統計検定2級を持っています。現在は統計検定準1級の合格を目指しています。まずは統計準1級ワークブックを進めています。そこで自分なりの解答を共有していこうと考えています。※解答のみで問題は載せません。


所感

 統計的推定の基礎の章です。基礎ってなってますけど、けっこう苦戦しました。新しい用語の量が多かったです。最尤推定量などが初めて見る言葉でした。しかしこの章の内容が他の章でも出てきます。ちゃんと理解できれば他の章の理解にもつながると思います。例8.4が理解できませんでした。理解できたら更新します。


本文例題の解説

例8.1
 求めるのはどれが統計量であるかである。未知の推定量μに依存しない標本のみの関数が統計量である。

例8.2
 求めるのはμとvの最尤推定量は標本平均と標本分散になるかである。

例8.3
 求めるのはガンマ分布Ga(α,1/λ)のα,λの推定値。問題文よりモーメント法を使う。

問8.4
 理解できなかったため省略。


章末問題の解説

問8.1
 求めるのは正しいもの全て。
 ①は正しい。求めるのは統計量であるかどうか。統計量は未知のパラメータを使ってはいけない。問題文ではμが使われているため統計量ではない。
 ②は正しい。求めるのは順序統計量を並べたベクトルはパラメータμ, σ²の十分統計量であるかどうか。標本が独立なので同時確率密度関数は積に分解できる。

 ③は誤り。求めるのは標本分散はσ²の不偏推定量であるかどうか。

 ④は正しい。求めるのは標本分散の平方根が標準偏差の最尤推定量であるかどうか。まず正規分布の標本分散は分散の最尤推定量である。この問題は標本分散の平方根を考えている。同じように考えると分散の平方根が最尤推定量になる。つまり標準偏差の最尤推定量になる。
 ⑤は誤り。求めるのは標本分散は分散の漸近有効推定量でないかどうか。まず正規分布は漸近論の正則条件を満たしている。また標本分散は分散の最尤推定量である。このとき一致性と漸近有効性の両方を満たす。

問8.2(1)
 求めるのはパラメータλの最尤推定量。

(2)
 求めるのはフィッシャー情報量。

(3)
 求めるのはλの最尤推定量は有効推定量であるかどうかである。λの最尤推定量の分散がクラメール•ラオの不等式の下限を満たすことを示す。

(4)
 求めるのはλの最尤推定量が漸近正規性と漸近有効性があるかどうか。問題より中心極限定理を使う。


問8.3(1)
 求めるのはT₁のバイアスb₁(μ,σ²), T₂のバイアスb₂(μ,σ²)。バイアスbは期待値から真の値を引いたもの。

(2)
 求めるのはコインの面積の推定値として(1)の結果を使うことの問題点。(1)よりT₂のバイアスb₂(μ,σ²)はnに関わらずに決まる。以上よりこの点が問題点となる。

(3)
 求めるのはコインの面積のバイアス補正推定値。

(4)
 求めるのはコインの面積のバイアス補正推定値。問題文よりジャックナイフ推定量を使う。まずi番目のデータを除いて残り4つで計算したT₁の値を(T₁)iとする。

(5)
 求めるのは漸近分散, (1)の設定で推定量T₁は漸近正規性があるかどうかである。問題文より推定量T₁に対してデルタ法を使う。


問題文が掲載されている書籍

 Amazonのアソシエイトとして、このアカウントは適格販売により収入を得ています。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集