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伊吹島ドリフト伝説 ”場”と”時”をつなぐスマートたち②

こんにちは。
本日は、2019年の瀬戸内国際芸術祭にアート作品として展示された「伊吹島ドリフト伝説」をご紹介させて頂きたいと思います。

まえがき

皆さんは伊吹島ご存知ですか?

伊吹島は香川県の最西端に位置する面積1.1㎢(周囲:6.5km)の離島です。海底火山からなる島で急傾斜面の海食崖に囲まれた台地状の地形を有しております。
平安時代ごろより人の定住が始まったとされ、今も有人島として人々の生活が伊吹島で育まれております。
伊吹いりこが有名な畜産物で、地形的性質から農業が困難だったため、漁業を中心に人々の生活が営まれてきたそうです。

伊吹島は瀬戸内国際芸術祭の会場となっており、会期中には軽自動車のバスも登場!?するらしく、掘れば掘るほど面白さが詰まっている島です。

*離島(有人)に興味のある方は、ritokeiさんのフリーペーパーがおすすめです。
*スマートって?と定義が気になる方はこちらへ。

伊吹島ドリフト伝説

2019年に身体的表現に重きを置くパフォーマンス集団「コンタクト・コレゾ」さんによって企画・展示された作品になります。

伊吹島ドリフト伝説(瀬戸内芸術祭2019作品一覧より抜粋)

「伊吹島ドリフト伝説」とは、3Dスキャン技術で”まち”そのものをデジタルデータに落とし込み、まちの通りをレーシングコースとしたレーシングアトラクションゲームです。今のゲーム機のような付加機能は備わっている訳ではなく、シンプルにアクセル・ブレーキ・方向転換のみの機能と、懐かしさを感じさせるゲームセンターのレーシングゲームです。

前述の通り、コンタクト・コレゾさんたちは身体的表現に重きを置くパフォーマンス集団で、身体的感覚(五感)と通して”場”(地形)を感じたものを作品に落とし込んでいらっしゃいます。(*ここは私の解釈です。)

今回の伊吹島ドリフト伝説の背景には、そうした彼らが感じた身体的体験が凝縮されていました。
台地状の地形・急斜面・凹凸があり入り組んだ小道・颯爽とバイクを乗りこなす地元住民(千鳥の大悟さんがメディアで何度かお話されている、北木島のバイク乗りたちと同じ乗りこなしスタイルだったそうです。)
これらの要素を体感した彼らは、現在の観光の主流でもある「Local Experience」として地元民のバイクライフを疑似体験できないか?という風な発想をされたのかな?と思います。

実際の会場には「コースマップ」や「ランキング表」もあり、遊び要素が詰まっていたみたいです。

コースマップ(Twitterより参照)


ランキング表(Twitterより参照)

おわりに

いかがでしたでしょうか?

百聞は一見に如かず。
なんともこの言葉が似あう空間デザインだな。と思いました。
都市の作法とは?誰がその場の主役なのか?

私の好きな言葉の一つに、
Space is socially constructed, while society is spatially constructed.
(空間は社会によって形作られ、社会は空間的に存在する。)*意訳です。
という言葉があります。

空間と社会の関係性がレーシングゲームという媒体を通して分かりやすく解釈されている良い企画だな。と思いました。

もしここ間違ってるよ!とか伊吹島やドリフト伝説の追加情報があれば、コメント頂けると嬉しいです。
最後まで読んで下さりありがとうございました! 


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