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2023年6月の記事一覧

ハロウィーン1.Happy Halloween

Spoon talk

こんにちは、こんばんは
昼と夜の境
夏と冬の境

境界が揺らぐ、今宵だけは
生ける者も、死せる者も
手を取り合い、歌い、踊って、夜を明かし
そのまま帰り道を間違ったって

それはしかたないかもね?

シチュエーションボイス

 やあ、こんにちは。それとも、こんばんはかな? 見ない顔だね。あぁ、隣の村から来たのか。どうりで。
 そう、お祭りの準備だよ。一年の始まりを迎える、人

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【ポエム】トンネル

ずっと一緒に
永遠に
果てなきトンネルに終わりはなくて
いつまで歩けば赦される?

トンネルごと壊してしまおう
限りを、区切りを、終止符を
もうこれ以上、歩かなくてもいいんだよ

喜びたまえ
後続よ
ここがトンネルの最奥だ

【ポエム】好きだから

好きだと思ったら
飽きるまで遊び続ける
壊れるまで遊び続ける
そんなこどもでした

だけど壊すことにも壊れることにも痛さはあって
何度も何度も壊してそうして
壊れないように遊びたいと
壊したくないと
願うようになったのでした

大好きだから、大切にしたい
それは、降り積もった痛みの数

【ポエム】止まり木

自由を求め、それに応える翼を得た
けれど、空は果てなく広い
ひろい空に、ひとりきり

空を渡り続けることに疲れたら
止まり木でひとやすみしよう

私を地面につなぎとめる鎖ではなく
自由に飛び立つことのできる止まり木

そんな止まり木がたくさんあったら
もう、孤独な空も怖くはない

【ポエム】夕陽はいつもそこに

【ポエム】夕陽はいつもそこに

久しぶりに、夕陽を見たような気がした
いつから、私は
夕暮れを忘れていたんだろうか

降り積もる雪
抜けるような青に染まる空

太陽だって、確かにそこにあったはずなのに
昇る日を何度も見て
沈む日を忘れていた

世界はクリアに
夕陽ははっきりと、空の色を照らし出す

この空を見ることは、もう二度とない

【ポエム】アイスカラー

とん、とん、た、た
そこかしこで、しずくの音

き、ぱき、ぱきっ
地面からは、氷の音

公園の遊具に、家々の屋根に
ほのかに雪が舞った朝

空はアイスカラーに塗られていた

しんとして、きんとした
蒼い朝

薄雲の向こうの朝日の熱は
雪どけの音を生む

【ポエム】朝の月

静謐の空に在る 白の月
朝を迎えてなお 彼女はそこに居る

夜 彼女を取り巻く星々が
すべてを照らす星の輝きに
消されて見えなくなってしまっても
雲のあいだ その蒼天に
彼女は在る

闇夜の黄金の輝きはなく
ただ 白く白く
冬に舞う羽根と 同じ色で

【ポエム】翼をくれたのは

穢れた大地にそびえたつ
その断崖から、何度落ちたことだろう

汚泥の中を這いずって
あの人に刺された痛みをかかえて
彼のぬくもりを、ただ支えに
何度その崖をのぼっただろう

諦めようと思っていた
この穢れはもう拭いきれないものなんだと
私はもうずっと、この穢れた大地を這うしかないと

だけど、この地獄に迷い込んできた君が
「取引だ」
そう言って、私に翼を与えてくれた

君がくれた、空に昇るための、

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【日記】2016.11③

自分を雑に扱っていると
自分に雑に接する人ばかり近寄ってくる

自分を丁寧に扱っていると
自分に丁寧に接してくれる人が近寄ってくる

そんなの、自明
類は友を呼ぶって言うじゃない?

だけど、だから
自分を雑に扱っている時に
自分に丁寧に接してくれる人と出会ったら

大切にして、敬意を持って接しよう
こんな自分でも、丁寧に接してくれる
その気持ちに、その心に、その態度に
感謝でもって、応えよう

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【ポエム】想いの灯

想いを伝え
想いが通じ
君からもまた、想いを受け取って

愛し、愛される、そのことが
ただこんなにも、しあわせだなんて

久しく忘れていたようで
寒々としていた、からだの真ん中
少しずつ、暖かく

ねえ、そうしたら、いつか
私も私を好きって言えるようになるんだね