週末のしとろん

spoonで主に活動中。 ファンタジーが多いです。 ポエムや小説は無料で朗読台本としてご利用いただく場合、タイトル・説明・タグのいずれかに「作:週末のしとろん」を入れてください。報告は不要です。 コピーで使用したり、イラストに合わせる場合などは、ご相談ください。

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  • 灰が降る町

    物語詩「灰が降る町」のまとめ

  • ハロウィーン

    ハロウィーン2023

最近の記事

【詩】陽光のカケラ

陽光のカケラ 硝子瓶に閉じ込めた 振ると 微かに 音がする 小さな小さな結晶みたいに しゃらしゃらしゃら お守りにしていこう この先もずっと 光を見失わないように その先にあるのは 果てなき 暗闇

    • 灰が降る町 #13

      その双眼鏡には、紐がついていた 首から提げられるようにと、ついていた紐だ 深い深い紺色の紐で 何だか珍しいなと思ったのだ そうだ それは、僕のものではなかった 双眼鏡は いったい 誰のものだった? いつから 僕のものになっていた? 窓の外では 遠雷が、鳴り始めていた

      • ハロウィーン3.あなたにとってのハロウィンは?

        ティアナ の場合 ハロウィンの由来が何かって? 収穫祭、新年祭… でも、私にとっては、何でもいいの 私にとっては 『仮装したかわいい子どもたちに、お菓子をあげる日』 その準備は、1ヶ月も前から始まる ジャック・オ・ランタンを作ろうか お目目はどうする? お口はどうする? 何のお菓子を作ろうか? キャンディ? クッキー? ビスケット? ラッピングはどうしよう? 袋に入れる? リボンは何色? 甘くて香ばしい匂いが、家中を満たし 庭にあふれ、街に漂う いよいよ迎えた、ハロ

        • ハロウィーン2.眠りの妖精

          その名を——ティアナ 月の歌 妖精にだけ聞こえる、夜の調べ 夢の世界へと 誘う序曲 夜が、さらに深く、暗闇に溶けてゆく時 月の歌が聴こえてくる それが、彼女の仕事の合図 必要なものは ただ一つ 妖精の布袋に入った 眠りの砂 粉砂糖のような その砂を お菓子ではなく 人に振りかけるのが ティアナの仕事  「ノア、ウィルフレッド、おいで」 ティアナは そっと子どもたちの名を呼んだ とたとたと近寄ってくるのは 小鬼と幽霊の仮装をした子どもたち 「ママ、お仕事に行ってく

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        記事

          【ポエム】星砂

          私がまだ 世界のせの字も知らないくらい 小さな頃に 海辺で拾った 小さな小さな星砂だけが たった一つの宝物 さらさら貼りつく 無限の砂粒から 私が見つけた たった一つの宝物

          【ポエム】星砂

          【ポエム】最後の一滴

          こぼれていく 流れていく 君は あとどれくらい 残っている? まだ そこにいる? どれくらい流れてしまえば 君を君と呼べなくなる? この、最後の一滴だけは どうかこぼれていかないように ずっとずっと ここにいて 君の最後の一滴を そっと 確かに 手のひらにのせて

          【ポエム】最後の一滴

          【ポエム】やる気

          気怠さを 胸の底に押し込めて いつだってそう 吸った息を、短く吐いた 立ち上がれ 覚悟を決めろ 目を開け あとは、進むだけ 雑感 その一歩を踏み出そうと足を上げることが 本当に本当にしんどい時ってあるけれど 発破って、そういう時にはとても効く気がする 最近は、意図的に呼吸を速くして、交感神経できるだけ優位にして、指先とか動かせるところから動かして、どうにかこうにか一歩につなげることを覚えた

          【ポエム】やる気

          【ポエム】安寧

          雨上がり 立ち上る草いきれ 叢に息づき、土に蠢く 無数の影 日に炙られた 石の上 干からびて 横たわる 無数の亡骸 柔らかな土を掘って お墓を作る これでもう熱くないね

          【ポエム】安寧

          【ポエム】夏がまだ夏であった頃

          ヒグラシの声が 遠ざかる 夏が 生き急ぐ 声にならない叫びが 急き立てる ひとつ ひとつ 摘み取って 僕らは 確かに ここにいた 大きな花束を作って それだけが、僕らの証明だ 寄せては返す 波のふち 砂の城も 砂浜の絵も 今、ここに立っていた 足跡さえも ぜんぶ ぜんぶ 波の向こう ツンと鼻を刺す 火薬の匂い 夜を埋めていく 白煙 笑い声と火花が咲く 僕らは 確かに ここにいて ヒグラシの声は まだ 聞こえている

          【ポエム】夏がまだ夏であった頃

          灰が降る町 #12

          星 そう、星を見ることが好きだった 人工太陽が天に輝く 無機質に白く明るいこの町で 本物の星を見ることが好きだった その昔 この天上には 空を埋め尽くすほどの星があったという 星たちは、太陽の光を受けて、空に幾つも煌めいていたという 人工太陽は、空の星まで照らせはしない その小さな灯りが照らせるのは、せいぜいこの町だけだった 太陽がなくなって この夜空は どれだけ静寂に満たされたことだろう そうだ 毎日、空を見上げていた そうして星を見る時に、いつもこうして持って

          灰が降る町 #12

          灰が降る町 第二部 #11

          銀星色 その色を覚えている 青白く輝く星 高音で燃える星 その星が、表紙になった本を覚えている 赤く暗く輝く星 低音で燃える星 その星が、表紙になった本も覚えている 他にも、たくさん たくさんの本があった 本棚があった 十年前、確かに 窓から離れた、この部屋の角に 天体について詳細に書かれた 様々な本があった

          灰が降る町 第二部 #11

          ククリ物語 2話

           結論から言って、今日一日、ルカの様子におかしなところは何もなかった。  違和感が気になって、様子をうかがっていたアキラだったが、本当に杞憂だったのかもしれない。  授業も全て終わり、後は部活に行くか帰るだけ。とりあえず部室に顔を出してから考えるか、などと思っていると、ルカが教室を出ていくのが見えた。  体育館とは逆方向に歩いていく。  胸騒ぎがした。  今まで、部活は絶対に休まなかったのに。  スマホだけ持って、すぐにルカの後を追う。  渡り廊下を抜けて、ルカは1、2

          ククリ物語 2話

          ククリ物語 1話

           「おはよう、アキラ」  その日、ルカはどこか吹っ切れた声をしていた。言うまでもなく、アキラはそこに違和感を持った。  嘘くさい? 演技っぽい? いいや、そういうわけではない。作り物ではない感情、さりとて誇張でもない。 「おはよ……。何かあったのか? お前」  訝しんで言うと、ルカは声を上げて笑った。 「何って? 何もないよ。変なヤツ」  そう言って笑いながら、ルカは自分の席に着く。  神成 ルカ。小学校の同級生で、バスケ部。成績は中の上、運動も当然できる方。イケ

          ククリ物語 1話

          ククリ物語 序章 

           まるで「これから自殺しますよ」とでもいうかのように整えられた、誂えられた、お膳立てされた、そんな浴室にとって、それは明らかに異物だった。  浴槽のヘリにそっと置かれた、深緑色の封筒。中には何も書かれていない、真っ白な便箋。  文字ではなく、その存在をもって、手紙は雄弁に語る。 「この部屋の持ち主は、自殺したのだ」と。  だが——自殺したからと言って、死んだわけではない。

          ククリ物語 序章 

          異世界カフェ・ヤドリギ 懐古の香り

          備考 アレンジ自由。その場合、「原案:週末のしとろん」と明記お願いします。 使用時はご一報いただけると嬉しいです。 使用する場合は「台本:週末のしとろん」と明記お願いします。 登場人物 主人公 性別はどちらでもよい     空気の精霊に近い存在     体を大気に溶け込ませることができる 狼男  体長170cm程度の人狼     主人公と同族の知り合いがいる 本編  店内の音(お湯が沸く音・静かなBGM等) ドアが開く(カウベルの音) 店員「いらっしゃいませ。

          異世界カフェ・ヤドリギ 懐古の香り

          【ポエム】電子レンジ

          私を、呼ぶ声がする 来て、早く来て、って 待って、今行くから もう少し待ってて その言葉を遮って、また 何度も何度も私を呼ぶ 私の言葉なんて聞きもせず 早くしないと 早く来ないと 大変なことになっちゃうよ 最後はまるで、脅しのように ちょっとちょっと、拗ねないで 手が開かなかっただけなんだって いつもありがと あなたのおかげで あたたかいご飯が食べられるし ご飯の準備も時短でできる だから、これからもよろしくね

          【ポエム】電子レンジ