睡眠と記憶の関係②
今回は前回に引き続き、睡眠と記憶の関係について話していこうかなと思います。
前回はノンレム睡眠についてお話ししましたね。
今日はレム睡眠について語っていきたいと思います。
レム睡眠とはRapid Eye Movement睡眠の略で
眼球が早く動く睡眠だと前回言いましたね。
そして夢を見るのもレム睡眠の重要な特徴です。
レム睡眠は記憶の整理
ノンレム睡眠が記憶の定着に役立っていて、
一方レム睡眠は記憶の整理と表現しました。
レム睡眠は夢を用いて膨大な記憶の中から無秩序に記憶どうしを結びつけ、規則性を見出し抽象的な概念を見つけ出すことが出来るのです。
この最たる例は言語の習得です。
言語の習得にはレム睡眠が欠かせないと言います。
生後18ヶ月の赤ちゃんが抽象的な文法の概念を習得できるのも
レム睡眠のおかげなのです。
赤ちゃんの睡眠は圧倒的にレム睡眠が多いといいます。
『問題を寝かせろ』夢が教えてくれる
夢はその膨大な情報を統合し、
そこに規則性や共通点を見つけることができるのです。
1869年、ロシア人のドミトリメンデレーエフは元素周期表を
夢で発見することができました。
それぞれの元素に何らかの規則性を見出そうと、
ひたすらに頭を悩ませ、もうどうにも煮詰まって眠りに落ちた時に、夢の中で元素たちがパズルのようにハマり元素周期表を作り上げていったのです。
起きてからそれを書き出し、元素周期表が完成しました。
なんと後に修正したところは一箇所のみでした。
またビートルズの Let It Be 、イエスタデイは夢の中で聞いたメロディーをそのまま曲にしたそうです。
ポールマッカートニーはとてもいいメロディだが、まるで自分が作っていないようだと言いました。
『問題を寝かせる』という言葉はほとんどどの言語にも存在するそうです。
睡眠の力を借りることで解決する問題が多いということが、
体感としてわかっているのでしょうね。
レム睡眠は起きているときよりも賢い?
睡眠慣性という起きてからしばらくはその睡眠状態が続く特性を生かして、ノンレム睡眠レム睡眠の問題解決力を測定した実験があります。
これ使われる問題はアナグラムというアルファベットを並び替えて単語を作るというゲームです。
被験者は解き方のレクチャーを受けてから睡眠に入りました。
はじめにノンレム睡眠時に起こした被験者は
頭が働かずほとんど正解が浮かびませんでした。
一方レム睡眠時に起こした被験者は問題解決能力が高く、
なんと覚醒時に比べ15%から30%正答率が上がったのです。
さらにその被験者たちは覚醒時のように意識的に考えるのではなく、
自然に正解が頭に浮かんでくるような感覚を得たと言います。
レム睡眠時の思考はより処理能力に優れ、
かつ柔軟的であるということですね。
レム睡眠とノンレム睡眠はどちらが欠けてもよくない
睡眠不足になると記憶の定着に役立つノンレム睡眠、
記憶の整理統合を行うレム睡眠のどちらかが不足してしまいます。
特に何かを学習する際や習得する際には睡眠は欠かせません。
現代人は何かと睡眠を犠牲にしがちです。
学生や子供だけでなく、大人も日々学んでることがあるでしょう。
睡眠を犠牲にしてしまう、睡眠不足でもいいと思ってしまう背景には
睡眠の軽視があると思っています。
どこか短時間睡眠でバリバリと働く社会人像が美化されてしまってるせいもあるかもしれませんね。
測定をすると、短時間睡眠でも大丈夫という人のほとんどがパフォーマンスが落ちているそうです。
睡眠不足の人は認知機能や情報処理能力が低下するだけでなく、
自分の能力低下にさえ気づかないそうです。
短時間睡眠でも認知機能が落ちない『本当のショートスリーパー』
は10万に4人しかいないそう。
つまりは自分では短時間睡眠で大丈夫だと思うのはやめたほうがいいということですね。
睡眠は人生の1/3の時間を使う大きな健康的トピックだと思っています。
睡眠によるメリット睡眠不足によるデメリットを伝えていくことで、
皆さんの睡眠に対する正しい向き合い方に少しでも貢献できたら幸いです。
まだ何か睡眠に関するトピックは投稿していこうと思っています。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
参考書籍↓↓↓
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