先住民の線刻画 Petroglyph Provincial Park
先日ナナイモにある、先住民の線刻画がある公園に行ってきました。
海沿いのトレイルを散歩している時、岩に刻まれた線刻を見つけたのがきっかけで調べているうちに、ナナイモにそういう公園があるということを知ったのです。古いものは1000年以上も前のものだそうですが、時代の特定は難しいみたい。新しいものは200年以内に作られたようなので、1000年以上の間、似たような意匠を描いてきたことになるのでしょうかね。
今までも何十回も通っていたハイウェイ沿いにその公園はありました。
表面が滑らかで巨大な岩を囲む森がフェンスで囲まれていて、かろうじて保存されている区画といった形。周りには民家があり、海岸線までは数十メートルといったところ。
小さなトレイルを進むと、線刻画の描かれた石版が地面に配置されています。これらは、レプリカです。
実物は、砂岩で劣化しやすいために、フェンスで囲まれていて許可を得た研究者だけが立ち入れるようです。
レプリカは、触ったり拓本を取ったり自由のようですが、苔むしてしまって模様もはっきりしません・・・
下の小さな石板の線刻画は、レプリカです。
トーテムポールの意匠と比較して展示してくれたらわかりやすいと思うのですが、研究書でも読まない限りなさそう。
もともとの景観を保全しながらの保存方針なのでしょうが、せめて実物は上屋をかけるなりして保護できないのでしょうかね。雨ざらしだと、風化して消えてしまうと思うんだけど。また、レプリカも苔に覆われていて良く見えないし。拓本取りたければ自分できれいにしなさいってことなんでしょうか?保存するからには、もう少し掘り下げた解説があったほうがいいと思います。
公園自体は、巨大な石が中心にそびえ、上っていくと海を見下ろせます。
石自体も神秘的な雰囲気で、まるで天の岩戸のようです。
Vancouver Islandだとガブリオラ島に多数の線刻画があるようなので、今度探しに行ってみたいと思います。
日本では、線刻画のある遺跡はあまり見つかっていません。
洞窟に描かれた線刻画は全国でも二か所だけとか。
北海道の小樽の手宮洞窟と、余市のフゴッペ洞窟です。
時代は、続縄文時代4,5世紀頃のもののようです。
正直事例が少なすぎるので、研究はあまり進んでいません。
ですが、しっかり史跡として整備されています。
縄文人は非常に多くの文様が施された土器を残しましたが、絵画や人物などが描かれた土器はほとんどありません。
不思議ですね。
■ 手宮遺跡について
https://otaru.gr.jp/shop/temiya-cave
■ 手宮遺跡の詳細
https://otaru.gr.jp/project/otarujishin-202305cave
■ フゴッペ洞窟