OMMで見つけてね。 文学フリマ大阪の朝
文学フリマ当日。
会場に向かう電車の中で必ずと言っていいほど自作詩集『私の古い言葉たち/寝惚草子』を読み返す。
初めて参加した文学フリマが2018年9月9日の第六回大阪で、この時は『寝惚草子』を和綴手製本として頒布した。
あまりに手作り感満載すぎて全くはけず、私の手元の在庫も処分したので、もはや幻の一冊である。
翌年2019年1月20日の第三回京都で、現行の『私の〜/寝惚』の初版を頒布。
これは、私が初めて1人で作り上げた印刷製本。
製本目的でワードデータを作ることも初めてだったから形にはなったものの、後から見返すと字組も構成も読み難く、ボタっとした印象のあるものだった。
そして現行『私の〜/寝惚』は2023年1月15日の文学フリマ京都7から頒布している。
初版の字組を読みやすくし、さらに短編を1つ追加した改稿版初版である。
随分とスッキリした収まりの良い一冊に進化した。
『私の古い言葉たち』パートは、10代の頃に書きためた詩の一部をまとめたものである。
傑作選と呼ぶには修行が足りないけれど、30代も半ばの今、もう当時のような詩を書くことは出来ないと思う。
本当に、純粋に、詩作が好きで、書くことが好きだった時代。
当時の詩は、連続したテーマで書いていたものもあり、それらは『私の〜』には含んでいないので、いつか本にしたい。
『寝惚草子』は2018年の1年の間に書いた掌編。
通勤電車の中で、うつらうつら、タイトル通り想起した短い物語群だ。
なんだかよくわからないものもあるのは、寝惚けているせいだ。
自分の作品を、年に2度とはいえ毎度毎度読み直すなんてナルシシズムじゃん! という感じはするけれど、自分の作品が嫌いだったら人様に読んでもらおうなんて発想にはならんのよ。
『私の〜/寝惚』の後書にも書いているけれど、昔の作品を読むことは当時の自分に会いに行くようなもの。
積もる話はいっぱいあって、教えてあげたいことと秘密にしておきたいこととを分けるのが難しい。
いつか、今日のことも、いつかの私に話す日が来る。
文学フリマ大阪12、え-19でお会いしましょう。
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