「隣人の愛を知れ」〜赦すことが、テーマの小説
尾形真理子さんの前作「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う」がとても良くて。
同著者の「隣人の愛を知れ」を読む。
それぞれの浮気や不倫が題材だが、人はたとえそのとき感情が出たり、その時の決断、進路があっても、「一種類」ではない、多面的である、ということをまざまざと知らされ、私にとっては、読むことで気持ちが楽になる小説でもあった。
全体を通して、自身も相手も「赦す」というテーマが、いろいろな女性の行動、思惑が交錯しながら、浮かび上がってくる。(この浮かび上がり方も、上質なミステリーのようでドキドキしつつ)。
赦すことは、まさに遠くも近くもある隣人を愛するということなんだな、と思う。
他人の不可解な行動に悩んでる人は、気持ちが楽になるかもしれないので、ぜひオススメです。
それにしても、人の気持ちを楽にする小説を書いてみたい、そういう仕事をしてみたい…と、本を読むたび思います。。
すてきな一日を。