【小説】 過去は希望になるのか


過去は希望になるという
その言葉は佳世子にとって
とてもとても傷つく言葉でなっていた
 
私の過去
それは振り返ってみるとあんまりいい
思い出がないから

でも大事に大事にあたためていた
あの学生の頃の思い出は
いつも佳世子の頭の、心の片隅にで
いつも輝いていた

それを急に失ったから
どう前を向いて歩いていいかわからなかった

でも、もう怒りは消えていた
悲しみだけは残っていた

どう消化させよう
そう
他者のことを、佳世子は考えていなかった
ここ2年の間、自分のことばかり考えていた

他者を労われる人になりたい
そう感じている今日この頃
 
光輝くイルミネーションを観たいと感じた
ジョコにイルミネーションを見に行かないかと
誘ってみたけど
人ごみの中、見る必要はないと言われて
佳世子は1人で見に行くことにした

今はマイコプラズマ肺炎にかかっているから
治ったら
1人で見に行きたい
そう思った

約束の紙?
そうだね
きっとそれは佳世子のウソでもういいや

弱いなら弱いなりに
その立場で生きていこう


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