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#詩

きみがひかりだから

かつてひとつの
たましいが
あふれんばかりの
あいゆえに
かたちなきよの
むすびめを
ひかりとかげに
ときはなち
ひとつひとつの
まなざしに
とわのいのちを
ふきこんだ

きみがどこにいようと

ひかりはそこにある

きみがひかりだから

ヘッセの詩

「本」 へルマン・ヘッセ

幸せだけを 与えてくれる
魔法の本は ないけれど
小さな文字の ささやきに
君は君へと立ち返る

そこでは全てが満ち足りて
星や月日の輝きも
君の心の内にある

君が求めてきたものが
色とりどりの 本たちの
あらゆるページの隙間から
光となって 溢れ出す

それらは君の 命の証

*****

好きな詩なので、
訳してみました。

おかしな訳で、
ごめん

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そういうもので ありますように

やわらかな
春のひざしを
浴びながら
音もたてずに
猫はゆく

いてつく冬の寒い日に
からだの小さなこの子たち
どこでどうしていたんだろう

ある雨の日の夜のこと
小さな庵のこしかけに
震えて座る私のひざに
子猫がふわりととびのって
そのままそっとよりそった

今夜のわたしも
かすかでも
だれかにとって
あたたかな
そういうもので
ありますように

(2018/07/09)
唄にしまし

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この世界があるというやさしさについて

ひとつの幸せが
とわに続くことはないけれど

幸せそのものは永遠であり

君がいまここにいることが
その証なんだ

幸せへの道は幸せの道

君は幸せになるしかない

だけど

怖がらなくていいよ
怖がることを

怖れもまた
愛のひとつだから

電車にのって
まどろんで
窓のむこうの
小さな森の
いくえも重なる
枝葉にともる
ほんのかすかに
こぼれた夕日

この世界がある

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