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もじ

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2016年7月の記事一覧

きみがひかりだから

かつてひとつの
たましいが
あふれんばかりの
あいゆえに
かたちなきよの
むすびめを
ひかりとかげに
ときはなち
ひとつひとつの
まなざしに
とわのいのちを
ふきこんだ

きみがどこにいようと

ひかりはそこにある

きみがひかりだから

ヘッセの詩

「本」 へルマン・ヘッセ

幸せだけを 与えてくれる
魔法の本は ないけれど
小さな文字の ささやきに
君は君へと立ち返る

そこでは全てが満ち足りて
星や月日の輝きも
君の心の内にある

君が求めてきたものが
色とりどりの 本たちの
あらゆるページの隙間から
光となって 溢れ出す

それらは君の 命の証

*****

好きな詩なので、
訳してみました。

おかしな訳で、
ごめん

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そういうもので ありますように

やわらかな
春のひざしを
浴びながら
音もたてずに
猫はゆく

いてつく冬の寒い日に
からだの小さなこの子たち
どこでどうしていたんだろう

ある雨の日の夜のこと
小さな庵のこしかけに
震えて座る私のひざに
子猫がふわりととびのって
そのままそっとよりそった

今夜のわたしも
かすかでも
だれかにとって
あたたかな
そういうもので
ありますように

(2018/07/09)
唄にしまし

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私という物語の その終わりに

あなたも
そうだと思いますが

わたしも
むかし
死にかけたことがあります

死にかけて
わかったことは

やっぱり
死ぬのは
怖くない
ということでした

いいえ

死ぬのが
怖くないのは
わかりきったことですね

怖いという
その思いみずからも
死ぬのですから

でも驚いたのは
怖くないだけでなく
果てしなく幸せである
ということでした

死んでしまえば
恐れとか
哀しみとか
喜びとか
幸せと

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