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2016年7月の記事一覧
そういうもので ありますように
やわらかな
春のひざしを
浴びながら
音もたてずに
猫はゆく
いてつく冬の寒い日に
からだの小さなこの子たち
どこでどうしていたんだろう
ある雨の日の夜のこと
小さな庵のこしかけに
震えて座る私のひざに
子猫がふわりととびのって
そのままそっとよりそった
今夜のわたしも
かすかでも
だれかにとって
あたたかな
そういうもので
ありますように
(2018/07/09)
唄にしまし
私という物語の その終わりに
あなたも
そうだと思いますが
わたしも
むかし
死にかけたことがあります
死にかけて
わかったことは
やっぱり
死ぬのは
怖くない
ということでした
いいえ
死ぬのが
怖くないのは
わかりきったことですね
怖いという
その思いみずからも
死ぬのですから
でも驚いたのは
怖くないだけでなく
果てしなく幸せである
ということでした
死んでしまえば
恐れとか
哀しみとか
喜びとか
幸せと