大仰の一歩手前がいい 『桜の塔』(第4話視聴後)
やりすぎ一歩手前、みたいな演技も違和感のない、ちょっと韓国ドラマっぽい筋立て&テイストの本作。
今回は特に、上條漣(玉木宏)と権藤秀夫(吉田鋼太郎)が対峙する場面が、さながら舞台のようでした。
千堂大善を演じる椎名桔平も、常に“芝居をしている芝居”のような感じなのですが、でもなんかこれでいいんじゃない? と思わせるような世界観なんですよね。
吉永晴樹(光石研)と権藤秀夫との同期警視監三人でのやりとりのシーンなんかも、かなり“芝居がかった芝居”なんですが、それはそれで面白いです。
それとコントラストをなすのが、水樹爽(広末涼子)が出てくるシーン、特に実家の中華食堂のシーンのような気がします。こちらはあえて言うなら“普通の芝居”です。水樹班の刑事たちや千堂優愛(仲里依紗)もこちらのほうですね。
上條漣(玉木宏)は“芝居がかった芝居”チームに属しているので、水樹班や優愛と接するシーンでは若干の違和感があり、そこにちょっとコメディっぽさを感じます。
それで、もしかしたらこの作品ってコメディなの? みたいなことを思ってしまったりもして、全体としてどういう作品なのか掴みにくいのですが、別にジャンル分けする必要もないので、いろんな楽しみ方をすればいい、ってところに落ち着きました。
警察内の不正という、ドラマにはよくある題材ですが、それによって父親を失った息子が謎に挑む物語として今後どうなって行くのか、引き続き見て行こうと思います。
ちなみに、父親を失った者だけがヒーローになれます。漣は最終的にヒーローとなるのでしょうか。