【日本ドラマ】 1月開始ドラマ、完走したのは?
1月開始ドラマで見る予定の作品はこちらの記事で挙げていました。
全部で11作品挙げていましたが、完走したのは以下の10作品でした。ほぼ見た感じですが、そのうち1作品はかなり義務的に流し見したので、「見た」にカウントしていいかどうか微妙です。
あと、リストアップしていなかった作品がひとつ加わっています。
『おいハンサム!!』
感想は、こちらの記事に書きました。
女性が日常の中に感じる違和感を拾いつつ、三姉妹それぞれの成長物語と家族愛をさらりと描いたよい作品でした。吉田鋼太郎さんが最高でしたし、他のキャストも皆ぴったりはまっていて文句なしでした。
総合的に言って、1月期開始のドラマでは一番よかったです。
『封刃師(ふうじんし)』
簡単に、ですが、1月期のドラマで各回について感想を書いたのは本作だけでした。
以下が記事のリンクです。
第1話(他のドラマと一緒になってます)、第2話、第3話、第4話、第5話、第6話、第7話、第8話、第9話(最終回)
早乙女太一さんのアクションを見せるために作られたドラマということで、アクションがメインでしたが、現代社会を反映したストーリーにも無理がなく、楽しめました。
あと、これは感想の中にも書いていますが、とにかく穢刃というアイテムと封刃というコンセプトがおもしろく、さらに「穢刃封刃つかまつる」という駆(早乙女太一)の囁き声が最高で、毎回楽しみにしていました。笑
『恋せぬふたり』
アロマンティック/アセクシャルというテーマでは初めてのドラマだと思います。
1回30分程度で全8回という短い作品なので、やや進行が駆け足だったり、葛藤が少ないなという印象はありましたが、新しいテーマに取り組む気概は買いたいです。家族という結びつきについて改めて考える機会にもなる作品でした。
『シジュウカラ』
不倫枠に入れていた本作ですが、そこまで不倫不倫していなくて、でも不倫じゃないかというとそうでもない、みたいな感じの作品でした。
心の支えになっていたマンガ作品の作者・綿貫忍(山口紗弥加)のアシスタントになった、心に傷を持つ青年・橘千秋(板垣李光人)の忍への気持ちには、恋だけでなく尊敬も入っています。その気持ちは、ずっと夫にバカにされてきた忍の心を動かさないはずがない。この“尊敬”が一般的な不倫ドラマとは違っていました。多くの不倫ドラマはやはり恋情や性愛が第一になります。そういう意味でも、千秋を演じた板垣李光人さんが、あまりセクシーじゃないところがよかったのかもしれない気がしています。
『ミステリと言う勿れ』
珍しく全12話で比較的長い作品でした。個性的な俳優が多く出演していて、ストーリーとその構成も凝っているし、視聴者を惹きつける要素がたくさんあったように思います。
原作はチラ見しただけなので間違っているかもしれないけれど、本作はまず、久能整(菅田将暉)のウザいキャラの妙な魅力を楽しむ作品なのだと思う。次に、整が、事件の真相だけでなく、事件の中に潜む心情的な真実を、何気ない一つの事象から多くを読み取ったり感じ取ったりすることによって暴く過程を楽しむ。さらに、その暴かれた心情そのものを、整の代わりに視聴者が味わう。整が、それを感じていることをあからさまにしないから。
最終話に第2話の事件のアナザーサイドを持ってくるのは悪くなかったと思うけど、でも、「あれ? なんで愛珠(白石麻衣)が死ななきゃならなかったんだっけ?」って、そこから頭の中で復習、みたいな感じになってしまった。どんなふうに死んだかは覚えていたけれども、そもそも死を望んでいたのってなんでだっけ? とか。いずれにせよこの事件はまだ完全には終わっていません。
開かれたエンディングなので、シーズン2になるのか、特別ドラマになるのか、劇場映画になるのか、形はわからないけれども、続きは作られるのでしょうね。
『妻、小学生になる。』
第3話まで見たときの感想を少し書いています。
本作はもう、中身が貴恵(石田ゆり子)になる白石万理華を演じた毎田暖乃さんの演技力の凄さに尽きるのかもしれません。
個人的な好みで言うと、話自体はあまり好きじゃありません。夫に対しても母のように振る舞う妻が苦手なんです。日本の家庭においては、そういうスタイルが、家族としてはうまく行くのだろうと思います。家庭もうまく回るでしょう。でも実際のところああなってしまうと、妻と夫、もっといえば女と男、というかそれぞれ自立した人間同士の関係としては理想的とは言えないと私は思っています。
しかし、妻がああいうキャラクターだからこそ成り立つ話ではありました。作中、「(貴恵は)周りの人間をダメにする」というセリフがあったように、しっかり者で何くれとなく世話を焼く貴恵に皆頼りきっていたわけで、だからこそ、貴恵が亡くなった後にみんなが抜け殻のようになってしまったのですよね。
本作の大きなテーマは、対象喪失からいかに立ち直るか、であったかと思います。それは、誰かに支えられながらということはあるにしても、基本的には孤独な作業です。ここでは、その過程においても貴恵の力が必要だったわけで、その点が少し引っかかります。引っかかるというか、どのように考えたらいいのかわからない。
現実世界では、失った対象を“思い出しながら整理し忘れて行く”、という自分の中で行う作業を、本作では外に出して見える形にした、ということになるのかもしれません。あるいは、最後まで世話を焼いてくれた素敵なお母さんでした、という話なのでしょうか。
太陽みたいには全然なれない私は、やっぱりちょっと抵抗したい。家庭を持ったからといって、全員のお母さんになるのは嫌です。だからそれを理想的に描く作品にも抵抗があります。
神木隆之介さん、改めていい俳優だなと思いました。複雑な心情を台詞なしで表現できる演技力を備えていますよね。
急遽、萩原利久さんの代役を務めた杉野遥亮さんは、役柄の設定にぴったり合っていて違和感ありませんでした。
『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇 』
そんな簡単にPV上がるかな、とか、三流サイトと言われながらも、取材に行ったら結構受けてくれるけど、そういうものなのかな、とかの疑問は持ちつつも笑、なんとなく最後まで見ました。
各回、最近の世の中のあるあるを取り扱っているため既視感がなくもない。そのためどう決着するかもだいたいわかる。しかしその過程を見て楽しむ作品なのだろうと思います。
瀬古凛々子の役は黒木華さんにマッチしていましたね。
安藤政信さんは出てくるだけで訳アリなことがわかってしまうので、存在自体が伏線という捉え方もできますが、“何かあることの予告”という意味ではネタバレの感が否めない。「ほらやっぱりね(ふふっ)」と思うか、「なんだやっぱりか…」と思うか、というところでしょうか。
得田真裕さんの劇判が秀逸でした。印象的で今も耳に残っています。
あと、薬膳カフェ『黄実子』のご飯がおいしそうでした。座ったら食べたいものが出てくるお店なんていいですよね。
『ケイ×ヤク』
予想に反してBL要素などほぼないドラマでした。“偽りの恋人契約”なんてしたっけ? という感じで(いや、ほんとに記憶にない)、恋人のフリすらもしないし。
公安捜査官とヤクザが“禁断の”バディに、というのも、組んでからは別にどうということもなく(いや、組むときにさえどうってことなかったような気が)。国下一狼(鈴木伸之)はほぼ孤立していて直属の上司と英獅郎(犬飼貴丈)の姉である先輩・央莉音(栗山千明)としか公安関係者と関わらないし、獅郎は自分が頭だから誰と組もうがどうってことないし。組むはずのない二人が組んだことによって、互いの組織も関係して起こるような危険や葛藤というのがほとんどなかった。
あと、おまけという形で二人の生活の一端を見せていたけど、あれを本編に組み込んで構築するのは難しかったのかな。あのままのテイストじゃなく、本編に合わせる形で。その方が作品に膨らみが出たような気がします。
完走はしたものの、なんとなく全体的に中途半端な印象が残りました。
『愛しい嘘~優しい闇~』
無理やりドロつかせた感が若干ありました。演技も二時間サスペンスドラマみたいに大仰なところがあったりとか。
“登場人物全員嘘つき”って、そうだったっけ? ってまた忘れてます…
ちょっと期待し過ぎていたかもしれません。
林遣都さんのSide A/Side Bを見ることができた点はよかった。(ってこれ、CDじゃなくてレコードがあった時代の表現か。笑)
『ハレ婚。』
冒頭で義務的に見たと言ったのは本作のことです。
視聴必須ジャンルの不倫ではなく、一夫多妻の物語なのですが、一夫多妻と不倫は何が違うのだろうか? と思ったりしませんか?
制度になっていて社会から認められているかどうか、というだけで、行動の中身は同じなのでは? とか。これはけっこう大きな問題だと思っています。
なので本作は必須ジャンルに隣接するカテゴリとして見ました。
主演の前園小春を演じた島崎遥香さんと、伊達龍之介を演じた稲葉友さん、両者ともにあまり好みでなく、さらに島崎遥香さんの声がちょっと耳障りで辛かったです。
ストーリー的には、最後まで伊達龍之介という男がよくわからなかった。レトリック的な「理解できない」じゃなく、どういう男なのかが良くわかりませんでした。優しい(うえに優柔不断な)男ではあるのだろうけれど、本当は何考えているのかが見えてこなかった。そんな男だからこそハレ婚するのだ、ということなのかもしれないけど。
最後、そんなにうまく行く? という結末ではあるけれど、これはもう、家族というもののあり方についての構成員の考え方次第、としか言いようがなかったりもする。
大きな家族は子育てしやすい、ということは事実。あとは愛というものをどのように考えるか、という問題だけですよね。
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以上、2022年1月開始ドラマを簡単に振り返ってみました。
(振り返りのために、都度メモを取っておかないとダメですね。って今頃気付きました… 記事を書いていない作品については何も残してなくて。)