新しいスタンダードになる? 縦型ドラマ『上下関係』
LINE NEWS VISIONで配信が始まった、縦型ドラマ『上下関係』。
スマートフォンの縦型画面で視聴するように作られたドラマです。
このように縦型の画角を生かした作品は、これから増えて行くのではないでしょうか。
スマホ用の縦型は、画角だけでなくアングルでも、横型と違った面白いことができそうです。『上下関係』のepisode 2まで見て、そういう印象を受けました。狭さ、近さを生かした大胆なアングルが採用されています。
同じように縦型の作品で以前生配信のあった、斎藤工企画・プロデュースのショートフィルム『Hitch x Hook』についてはこちらで取り上げました。
『Hitch x Hook』は上下二分割を多用し、電話やビデオ通話を通して異なる場所を同時に見せる会話劇で、しかも即興を取り入れた興味深い作品でした。
(なおかつ、上記の記事にも書きましたが、生配信の際に塚地武雅さんが、一部を“生即興”で演技しているのをはめ込むというのを披露してくれました。この“生即興”部分はどこなのかはあらかじめ明かされておらず、見ているときにはほとんど気付きませんでした。微妙な違和感はあったのですが、それがむしろシーンに生かされていて、あとでその部分が生だったと知って、その違和感の正体がわかったという感じでした)
『上下関係』は、地方の上下関係が嫌で上京してきた女の子、本田小夏(河合優実)の話ということですが、このタイトルには複数の意味が込められているようです。いつも屋上にいる謎の男カワサキ(窪塚洋介)は、小夏のすぐ上に住んでいると言い、「上が空なら下はなんだ?」「宇宙には重力がない。上下という概念もない」などと上下絡みの発言もしています。また、“上下”はやはり縦型画面を上下二分割で使うことをほのめかしてもいるでしょう。実際Episode 1でも使用されているし、これからも出てくると思います。
縦型ドラマの出現は、画角というものが作品にどう影響するかを(撮る者、見る者ともに)考えさせ、映像作品の可能性を広げるものとなるでしょう。
窪塚洋介さんはドラマの主演がなんと19年ぶりだそうでびっくりしました。
『上下関係』、引き続き視聴していきます。