「読みやすさ」と「人間味」ある随筆を
僕には、幻想と文章の師匠とも言うべき人がいて、その人に憧れて文章を書くようになったという経緯がある。
〈そうだったんだ〉
〔この人が一方的に師事してるだけですが、拒否はされていません〕
〈へぇ…〉
その師匠に、少し前、連絡する機会があって。
そのとき勇気を出して「師匠が読みたくなるエッセイとは?」って聞いてみたの。
本文:僕。主人公。
〔〕:精霊さん。イマジナリーフレンド1号。
〈〉:妖精ちゃん。イマジナリーフレンド24号。
引用文:師匠。珍しくイマジナリーじゃないフレンド。
以下原文ママ。引用許可は快くいただきました。
師匠すぐ褒めてくれる。最高。
そしてわかりみが深い。
〔こういう言語化能力はお師匠さんの本領ですよね〕
で、このアドヴァイスを僕らは取り入れることができるのか。
できるとしたらどのように取り入れるのか。
今回はそういうお話。
〔まずは分析ですね〕
〈えっと……大きく分けてふたつ、かな?〉
淡々とした、知的で、フラットな「読みやすい文章」
ところどころ私情やユーモアも交わる「人間味のある文章」
それぞれについて考えてみよう。
さて。
「読みやすい文章」かぁ…。
〈私たち、ただでさえ3人もいてわちゃわちゃしてるけど〉
文章の形式については、これでもいろいろ工夫してるんだよ?
それぞれ記号を分けたり、段落も多めに分けたり。
可読性ってのは文章で一番大切と言っても過言じゃないんだから。
〔可読性も大切ですが、この場合はまた別の話じゃないですか?〕
〔おそらく、文章の形式よりは、文体について伝えたかったのではないでしょうか〕
どういうこと?
〔たとえば、良い内容だとしても、どうしても読み進めることができない文章がありますよね〕
ある。
僕の場合、馴れ馴れしすぎたり、えらそうだったり、きつい言葉が使われてる文章は、ほんと苦手。
〔そういった要素を、丁寧に取り除いていくのが大切だと思います〕
〔君のエッセイの理想はなんでしたでしょうか?〕
自分が読みたいもの。そして心に響くもの。
〔ならば、その心が「イヤだなぁ」って感じる部分はなくしていきましょう〕
〔それが「フラットで読みやすい文章」に近づくコツだと思います〕
なるほどね…。
〈あれ?「知的な文章」は?〉
僕は最初から知的だよ。
〈……え、それはツッコミ待ち?〉
?
〈あ、本気の目だ。ごめん、なんでもない。次行こ次〉
では、次。
「人間味のある文章」について。
〈「私情やユーモアをポロッと」って、最初から私情全開じゃダメなのかな?〉
ダメじゃないだろうけど……これは、あれだ。
〈どれだ?〉
「不良と猫理論」だ。
〈なにそれ?……って言いたいけど、なんとなく分かる〉
〔普段は感心しない不良の人が、猫に優しくしてる様を見て、急激に印象が良くなるあれですね〕
そうそれ。
つまり、普段は知的でフラットな文章をクールに展開するのに、たまに見せる人間らしさに萌え萌えキュンするわけだ。
〈ほんとに?ねえほんとに萌え萌えキュンなの?〉
我ら三人、ヤンデレ・クーデレ・ツンデレが揃ってるんだから、ギャップ萌えには困らない。
〈だから私ツンデレになった覚えないんだけど???〉
〔はい、冗談はここまでにして〕
?
〈また本気の目をしてる…〉
〔……その話は置いておいて〕
〔こういうのは、狙ってどうこうできるようなものなのでしょうか?〕
無理だね。
経験上、ウケを狙いに行ってウケたことがまるでない。
〔ならば、この「人間味」について、ボクたちは「素直さ」に繋げるしかありませんね〕
〈出た、「素直さ」〉
永遠の課題。今まで何回も出てきてる。
〔その場しのぎの冗談や、嘘っぱちの話をしたところで、そこに「人間味」があふれるとは思えません〕
そうなんだよなぁ…。
〔ちゃんと「人間味」がある素直さを出せるようになってから、それをどの程度出していくかのバランスを模索していくのが、ボクたちの歩むステップだと思います〕
つまり、まとめると。
「読みやすさ」のために、心がささくれる言葉を避けること。
「人間味」のために、素直さを出す勇気を持つこと。
その後の上級テクニックとして、バランスをうまく調節すること。
〔そうすれば、お師匠さんのイメージに少しは近づけるのではないでしょうか〕
今回はこのぐらいで。
ちなみに今日の記事は師匠に読んでもらうことになってる。
〈えっ、私、会ったことないから緊張するんだけど〉
そういえばそうだね。
〔ボクは会ったことありますよ〕
〈どんな人?〉
〔それこそ知的で、ユーモアのある、優しい、立派な人です〕
〈……読まれると思って媚び売ってない?〉
〔大丈夫です。この人はいつもこの100倍は媚びを売ってますから〕
別に媚び売ってるわけじゃないし。もらった恩を返してるだけだし。
〔そういうことにしておきましょうか〕
〈でも、どうして読んでもらうことになったの?〉
〔「書けたら教えて」とお師匠さんに言われたからです〕
〈だからなんか浮ついてるのね〉
え、そう見える…?
〈見える〉
〔見えます〕
〈空でも飛ぶんじゃないかってぐらい〉
〔まさに私情にあふれています〕
……では、次回の記事で。
〈あ、照れ隠しで終わらせに来た〉
次回の記事で!
〔はい、またお会いしましょう〕
〈ばいばい!!〉