マガジンディレクションの振り返り
昨年、意欲的に取り組んだことのひとつとして挙げたいのが、9期SHE海外コミュニティの自主企画マガジン『私たちのAnother Sky』のディレクションです。
"ディレクション"というとなにやらカッコいい響きにも聞こえますが、実際のところ何をしていたのか。
ディレクターという仕事の業務内容は多岐にわたります。そしてその守備範囲は、プロジェクトごとにも、組織ごとにも違いが。
ここでは、『私たちのAnother Sky』マガジンディレクターとしてやったことを、個人的な振り返りとして書き残しておこうと思います。
『私たちのAnother Sky』とは
ディレクションをすることになった経緯
9期SHE海外コミュニティプランナー(CP)のなごみんから自主企画マガジンを作りたいと聞いたとき、直感的に「ディレクションで手伝いたい」と思い、その場ですぐにオファーしました。
以前企業でWebディレクターをしていたことがあり、その経験を活かして何かしてみたいとかねてから思っていたので、まさにタイミング。
彼女のコミュニティに対する思いに共感したというのも大きかったです。
マガジン運営メンバー
やったこと
一般的に業務内容はもっと色々あると思いますが、今回は自主企画ということで、そのとき自分が出来ること、ちょっとチャレンジしてみたいことだけ、のびのびやらせてもらいました。
1️⃣諸々の書面化
Notionが大活躍でした。見出しを整えたり画像挿入したり、見やすい書面を作れて共有もすぐできて、とても便利!
マガジンの方向性、概要
ライター募集したところ8名手を挙げてくれたと聞いたとき、まずはスタートの時点でなごみんのマガジンの想いや構想を、メンバーみんなが共通認識として知っておく必要があるなと思いました。
そこで、彼女から個人的に口頭で聞いていた内容をキックオフミーティングまでに書き起こし、Notionで共有。いつでも見返せるようにしました。
マガジンのご紹介(外部向け)
基本的にはライターメンバー間でインタビューし合うパターンがほとんどでしたが、それ以外の方にもご協力いただくこともあったので、マガジンがどんなものかお伝えするためのNotionページを作りました。
マガジン仕様書
文章は各ライターさんの個性を出してもらいつつ、マガジンとしての統一感を持たせるために、インタビュー記事の構成は共通のものにしました。既存メディアの記事を参考にして、体裁を可視化しました。noteでの配信を想定していたので、プレビュー機能を使い具体的な見え方のイメージも共有できました。
2️⃣スケジュール進行管理
今回のディレクションのメインはここだったかなと思います。
9月から11月までの3ヶ月間で、9回の記事発行。各号の担当ライターさんの記事に対して、他のライターメンバーがフィードバック→ブラッシュアップしていくという形を取っていました。そのため複数号のフィードバックが重なって負担にならないように、最初の段階で大まかなスケジュールを設定しました。
スケジュールカレンダー作成
Notionデータベース(カレンダー)を使用。企画〜リリースまでに必要なタスクを洗い出し、どの期間にどのタスクを実施するのかを可視化しました。
ガントチャート作成
Googleスプレッドシートを使用。SHElikesのWebディレクターコースで配布されていたテンプレを少しアレンジして活用させていただきました。
カレンダーとガントチャート、両方作ったけどどっちかのほうが良かったかも……といつも感じていましたが、今振り返ってみると、役割が違ったので結果よかったかなと思います。
私は「その日に違う号の別のタスクを実施しないといけない」といった全体を見るのにカレンダーが便利でした。
一方、ライターメンバーは自分のターンでいつまでに何のタスクをしないといけないのかがわかって良い、とガントチャートのほうが好評でした。
タイミングを見てコミュニケーション
コミュニケーションは、ほぼすべてSlackで行いました。
企画が動き出した最初の方でスケジュールをバーっと決めてしまったので、特に後の方の号を担当してもらうライターさんには
「そろそろ動き出しましょうか😊」
「当初こういうスケジュールだったけど、大丈夫そうかな??」
など時期を見て声掛けをし、決めたスケジュールに乗せて進める、あるいは状況に応じて調整し、すべてのライターさんの動き出しからリリース到達までサポートしました。
3️⃣読者目線でのフィードバック
一人のライターさんが書いた記事に対する細かい校正(誤字脱字チェックやテクニカルなフィードバック)などは、ライティングを学んでいるメンバー同士で行ってもらっていたので、私は”一読者”としての目線でフィードバックをしていました。
「書き手が思うほど読み手はしっかり読んでない」とは(悲しいけど)よく言われることですが、そのレベルでも自然に読めるか、伝わるかを、なるべく見るように心がけました。
4️⃣記事拡散施策の実施
Xでの拡散継続
記事がリリースされたらXで告知をするのですが、リリース直後だけでなく、繰り返し拡散を行いました。海外コミュニティのイベントや自主企画に合わせて、関連するインタビュイー・インタビュアーの記事をタイミング良く投稿。投稿内容と時期は、表を作って事前に考えていました。
紹介内容は投稿ごとに様々でしたが、潔く「マインドチェンジした部分」を2~3点ピックアップして伝えるという形で必ず1投稿はしました。ダイジェストがわかったほうが記事を読んでくれそうだな、という狙いも。
SNS投稿を継続するのはあまり得意な方ではないのですが、毎回の記事が本当にメンバーみんなの協力の賜物だったので「出して終わり」ではなく、少しでもたくさんの目に触れてほしい……!という思いで続けられました❤️🔥
noteのタグ
マガジン開始当初は、ライターさんに完全にお任せしてテーマに合った文言やオリジナルタグ(#️⃣私たちのAnothersky)を付けてもらっていたのですが、途中から私もリーチ数(ビュー数)UPを意識したタグ選定を行うようになりました。
後述しますがディレクションの一環でアクセス分析をしていて、ある記事のビュー数が群を抜いて高く、理由を探ってみたらどうやら人気タグを使っているようだ、ということに気づきました。(もちろん、ライターさん個人の注目度や人気も大きな要因だと思います。)
少しでも効果があるなら!と、記事の内容に関連するタグを検索し、人気のありそうなもの、届けたい人によりピンポイントに届きそうなものを入れてもらうようにしました。
5️⃣アクセス分析
これは私にとっては実験的・チャレンジ的な意味合いでやらせてもらっていました。実は前職のディレクション業務の中で、メインにして最も苦手だった分野でした。
毎週、noteダッシュボードの数値をライターさんに共有してもらい、ビュー数に対するスキ数のパーセンテージを割り出し(基本的にリリースから4週間実施)、そこから拡散施策を練ったり、その結果を測ったりしました。
大事にしていたのは、マガジン全体での相対評価ではなく、ライターさん個人の数字の変化をポジティブなフィードバックとともに伝えること。それぞれnoteの育て具合は違うので、数に差があるのは当たり前です。なので数字の変化などは「あなたの先週の数字と比べて〇〇だった、それは✗✗という要因(施策やイベントなど)があったからだと思います」という伝え方を徹底しました。
幸いにもビュー数はどの記事も毎週伸び続け、いつもSlackでフィードバックを伝えるときは「👏」の絵文字を付けていた記憶があります。
このフィードバックの部分が以前はどうも苦手でした。「未経験新人ディレクターの私なんかがクライアント様に何か言うなんておこがましい……」と。
でも、今回編集長のなごみんを始めとしてとても熱量の高いメンバーが集まり、ライターさん同士で良いものを作り上げようと意見を伝え合う様子を目の当たりにしました。
こんなに頑張って作った記事、読まれ続けてることをみんなに伝え無いわけにはいかない!という思いで自然と前向きにフィードバックをさせていただくことができました。(でも毎回「こんなこと言って大丈夫かな、嫌な気持ちにさせないかな、当たり前過ぎて呆れられないかな」というハラハラ感はあったけど…笑)
苦手意識があったことでしたが、今回向き合ってみて、自分もチームの一員ということを積極的に自覚して、その一体感を楽しみたいという気持ちが、行動の原動力になるという一面に気づくことができました。
感想
前職がWebディレクターだったのですが、どこかいつも苦手意識を持ちながら仕事をしていました。何となく「ディレクター」という言葉に、私自身が実態以上に大きなものを感じていたように思います。
ディレクターはプロジェクトの管理者ではあるけれど、それは偉いわけでもなんでもない。
プロジェクトの交通整理をする人で、チームメンバーの素敵なクリエイティブが日の目を見るまで手をつなぎながら進んでいく人で、いい意味で”単なるチームの中での1つの役割”である、ということに気づきました。
前述したようにおこがましい気持ちになってしまっていたのは、ベクトルが自分に向いていたからだと思います。視線の先に見ているものがチーム全体の成功、そして読んでくださる方々であれば、自然と自分のできる限りの方法で役割を果たしたくなる。そんな体験をさせてもらいました。
またそんな経験をしたいと思っています。自主企画やお仕事で、できるといいな。
ありがとう
自主企画という、お金が発生する仕事とはまた違う環境で存分にチャレンジする機会を与えてくれた、CPなごみん。
ディレクターを置かずとも遂行できたかもしれない中、チームメンバーとして一緒に頑張らせてくれたライターメンバーのみんな。
拡散やリアクションで盛り上げてくれたマガジンチーム以外の海外コミュサポ隊のみんな。
読んでくださった読者のみなさん。
本当にありがとうございました!