#291【劇評・絶賛】『インサイドヘッド2』(1/3)
今日もお読みくださってありがとうございます!
関東は観測史上最も早い1月8日に花粉の飛散が始まったそうです。
わたしも乾燥と花粉でまぶたが真っ赤にに腫れあがってしまったので医者へ行き花粉薬を飲み始めたのですが、眠気と倦怠感がすごい。
運転する仕事の方は花粉の季節はどうなさっているのでしょうか。
おつかれさまです!
インサイドヘッド大好き!
「インサイドヘッド」は和製英語
原題は『INSIDE OUT』です。
タイトルに込められた意味や放題の意味をざっと調べてみました。
「インサイドヘッド」大好き
インサイドヘッド、1から大好きなんです。
何と言ってもカナシミの大竹しのぶさんが最高!
一般的に避けたいと思いがちな感情を、こんなにとぼけた愛おしいキャラクターに造形するなんてピクサーも大竹さんもすごい。
竹内結子さんのヨロコビもぴったりで好きだったなあ……。
仕事で理不尽クレーム対応をするときにも、ヒステリックに怒り狂うおじさんを前に、
などと思えたのは、この映画のおかげだと思います。
(ちなみにわたしは理不尽クレーム得意じゃないけど、相手に加害の意思がなくこちらを性的に見ていなければ、冷静に対応できることもある)
初めてフラの勉強にマウイ島へ行った帰りのハワイアンエアラインの中で観た、思い出の映画でもあります。
2は公開時に映画館で観て、このたびディズニープラスでもまた観ました。
あたらしい感情
「わたしが間違えたことあった?」「うん、何度も」
序盤の名台詞。クスっと笑わせつつ、大事な台詞。
誰しも間違えることはある、大事なのは修正していくこと。
このことが物語冒頭に示唆的に語られます。
トラつばでも繰り返し描かれたことでしたよね。
「1」では独善的・マッチョなリーダーだったヨロコビが、ハッピーとは言えない感情も含めて全ての感情はライリーのためになる、と学んでいく姿が描かれました。
成長を経て、カナシミがヨロコビに対等に言葉を返せる関係性になった(ヨロコビが聞く耳を持つようになった)ことを示す台詞でもあります。
「2」序盤、親友に隠し事をされたライリーがひとりになった瞬間に悲しみの涙をこぼし、ヨロコビが「これでいい、これもライリーに必要なこと」と言うのも、「1」を通じての成長を表す素敵な場面でした。
思春期に加わる5つの感情
ライリーを13歳になるまで見守ってきたのは、次の5つの感情でした。
ヨロコビ
カナシミ
イカリ
ムカムカ
ビビリ ※目に見える危険からライリーを守る
そこへ今作、思春期を迎えたライリーに新しく加わった感情は、次の5つです。
シンパイ ※見えていない未来を予測して危険からライリーを守る
イイナー
ハズカシ
ダリィ
ナツカシ
ある夜いきなり「思春期」アラームが鳴り響き、突然司令部の大工事が始まる。これは本人的には「なんだかわからないけど混乱する」事態を招く納得感の高い描写でした。
シンパイたち新しい感情が登場してすぐに、彼らが「1年後のライリー」などライリーの未来を考えて計画を立てることを志向するようすが彼らの特徴として強調されます。
それと対比するように、ヨロコビたち旧来からの感情が「ライリーがいま直面している状況にどう感じるか」にフォーカスしがちで先を見通して計画を立てることが苦手であるようすが折に触れて描かれていきます。
新しい感情たちのリーダー・シンパイがヨロコビたち5人を司令部から追い出す場面の台詞に深く首肯。
シンパイの吹き替え、多部未華子さんだったのかあ……ぜんぜん気が付かなかった。多部さんの素朴さとかかわいらしさとかは全く封印していて、すっごく良かった。
ライリーは13歳ということもあってナツカシは本編中ほとんど出番がありません。ナツカシにシンパイが「あなたの出番は10年後、2回卒業式を終えて親友の結婚式に出てからだから!」と言って部屋に閉じ込める場面好きだったな。
でも、子どもながらに「懐かしい」という感慨ってありましたよね。
それを子どもが口に出すと、大人は笑ってしまいがちだけど。
カナシミとハズカシがはじめに共振する
ライリーは、あこがれの高校ホッケー選手との合宿で、のぼせ上って失敗を連発してしまいます。
あこがれの先輩たちに迷惑をかけた恥ずかしさのあまり、練習場のすみで絶句してフリーズするライリー。
ハズカシが感情操作デスクの上を覆うと、カナシミが
と、そっと手を添えます。
途端にライリーの目から涙がこぼれ、泣き終えると、次の行動に移ることができるのでした。
「弱い」感情こそが対立を緩和させる契機になる
さて、シンパイによってヨロコビたち5人は瓶詰にされ司令部を追われます。
このとき、ハズカシがシンパイに反抗はしないものの、瓶の蓋に釘穴をあけて息ができるようにしてあげる、というのもとても示唆的です。
前述の「わかるよ」のエピソードとともに、カナシミ・ハズカシといった一見弱点のように想える感情が、対立を緩和させる方向を生み出すのでしょう。
「1」で大泣きして動けなくなったビンボンを再び動かすのがカナシミだったことにも通底しています。
「インサイドヘッド」のカナシミは自信のないキャラクターではあるけれど、いいところは防衛・防御の概念が薄く、他者に対して開かれていること。
悲しみを感じることを弱いと認識しがちですが、その弱さを隠したり怒りなどで防御しようとせずに悲しみのまま表現することで架橋されるものがあるのだと感じます。
次回に続きます!
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